今夏は、E.L.F.ビューティ(E.L.F. BEAUTY)によるスキンケアブランド「ナチュリウム(NATURIUM)」の予期せぬ買収を除き、ビューティ関連の大きなM&Aや投資は見られなかった。秋に向けて準備を進めている企業もあるが、それでも例年の9月のような慌ただしさは見られない。投資銀行のリンカーン・インターナショナル(LINCOLN INTERNATIONAL)でビューティ&パーソナルケア部門の責任者を務めるアシュリー・バーカー(Ashleigh Barker)によると、「9月4日のレイバーデー(労働者の日)が近づくと、あらゆる取引で市場が活性化するのがこれまでのケースだったが、今年はむしろ年末から年明けにかけて忙しくなるだろう」と説明する。多くの企業が現在の情勢下で事業撤退や増資を控えており、ビューティ関連の取引は来年さらに加速すると予想されている。(この記事は「WWDJAPAN」9月18日号の抜粋に加筆しています)
2023年は、1月にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)が黒人特有の縮毛や肌悩みに向けたヘアケア・スキンケアブランド「ミエル オーガニクス(MIELLE ORGANICS)」を買収し、ビューティ業界のM&Aは多くの注目を集めて幕を開けた。また同月、ロレアル(L'OREAL)はベンチャーキャピタルファンドのBOLDを通じて韓国の消せるタトゥーメーカーのプリンカーコリア(PRINKER KOREA)の少数株式を取得。フランスのメタバース開発企業デジタルビレッジ(DIGITAL VILLAGE)の資金調達ラウンドにも参加した。
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