(左)松尾大(ととのえ親方)/TTNE、プロサウナー プロフィール
複数の会社を経営する傍ら、全国のサウナ施設のプロデュースを手掛ける実業家にしてプロサウナー。地元札幌を訪れる経営者や著名人など1000人以上をサウナにアテンドし、ととのう状態に導いてきたことから“ととのえ親方”と呼ばれるように。著書に「Saunner BOOK」(A-Works)、本田直之氏との共著「人生を変えるサウナ術」(KADOKAWA)などがある
(右)秋山大輔(サウナ師匠)/TTNE、プロサウナー プロフィール
イベントを中心とするブランディングプロモーション会社を経営しつつ、プロサウナーとして活動。20代でサウナに開眼し、世界中のサウナを経験しつつ、サウナの素晴らしさを伝えているうちに“サウナ師匠”と呼ばれるように。さまざまなプロデュースの知見を生かしたブランディング手法で、日本サウナのリブランディングを手がける
PHOTO : YUTA KONO, LOCATION : CANDEO HOTELS TOKYO ROPPONGI
日本人の共通言語になった“ととのう”という言葉。“おじさん”のイメージだったサウナが、今ではレディースデーに5時間待ち。フェスにはテントサウナが用意され、サウナを起点としたリブランディングや地域おこしも活発だ。そのサウナブームの裏で、緻密に計算されたブランディングとプロデュースがあった。仕掛け人は、ととのえ親方(松尾大)とサウナ師匠(秋山大輔)。日本初のサウナブランド「ティーティーエヌイー(TTNE)」を主宰し、ブームの火付け役としても知られる。そんな2人はこの夏、世界シェアNo.1のフィンランドのサウナストーブメーカー「ハルビア(HARVIA)」の世界初グローバルアンバサダーに就任した。名実共に日本を代表するプロサウナーとなったのだ。「TTNE」の軌跡を振り返り、ムーブメントの起こし方を学ぶ。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月18日号からの抜粋に加筆をしています。無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
――“サウナはおじさんのもの”だったっていうのは本当ですか?
ととのえ親方(以下、親方):めちゃくちゃおじさんのもの。今は全然変わった。だから、僕らは、それまでと全く違うところにアプローチできたんですね。それまでサウナを取り上げていた雑誌って、「じゃらん」とかの旅行雑誌なんですよ。サーファーにはサーファーのブランドがあるのに、サウナーにはサウナーのブランドがないって「TTNE」を始めて、それを「WWDJAPAN」とかのファッション媒体が面白がってくれた。今のサウナブームがあるのは、その流れがすごく大きいと思っています。
サウナ師匠(以下、師匠):“北のサウナー”として有名だった親方とは2016年に北海道で出会って、翌年、徹底的にヨーロッパのサウナだけを2人で回りました。そのとき、フィンランドで見た景色が日本と全く違って。日本は男性専用サウナばかりだし、おじさんしかいない。でもフィンランドでは、男女で入って、おじいちゃんから孫まで3世代ぐらいでサウナに入っている。女子会をやったりカップルがデートに使ったり、圧倒的にみんなが楽しめるものなんです。で、同時にやっぱりサウナが好きなので、思い出にお土産屋さんに行くんだけど、イケてるTシャツが1枚も売っていない。だからサウナがファッションになったら面白いだろうなと思ったんです。
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