ビジネス

資生堂の15年3月期決算は、消費増税前の駆け込み需要の反動で微増収

 資生堂の2015年3月期連結決算は、売上高が前年比102.1%の7776億8700万円、営業利益は同55.6%276億1300万円、経常利益が同56.9%の292億3900万円、当期純利益が同128.8%の336億6800万円だった。売上高は、国内が消費増税前の駆け込み需要の反動影響から前年を下回ったものの、海外が円安で底上げされたため堅調。利益面では、売り上げ減に伴う差益減や人件費増加、海外のマーケティング投資強化などから減少。純利益は、「デクレオール」「カリタ」売却の特別利益を計上し前年を大きく上回った。

 国内売上高は同96.9%の3656億1500万円、海外売上高は同107.1%の4120億7200万円。国内は主軸商品に位置付けた美容液「アルティミューン パワライジング コンセントレート(アルティミューン)」の発売や、「エリクシール」の一新、シニア女性向け「プリオール」などが好調で中・高価格帯が回復傾向に転じた。さらに、インバウンド売り上げも寄与した。一方で、低価格帯の化粧品やシャンプーなどのトイレタリー、メンズの売り上げが伸び悩んだ。海外では、「NARS」やフレグランス事業が好調に推移。「アルティミューン」を展開するグローバルブランド「SHISEIDO」、ブランド初のリキッドファンデーションを発売した「ベアミネラル」が売り上げに寄与した。

 15年度は、決算期を12月に改め15 年 4 月 1 日〜12 月 31 日の 9カ月の変則決算となる(海外は1?12月)。売上高は7300億円、営業利益が280億円、経常利益が280億円、当期純利益が100億円を目指す。15年度は日本事業の売り上げセグメントをプレステージ、コスメティクス、パーソナルケア、デジタル、ヘルスに変更。グローバル事業のセグメントは、16年度から、米州、中国、欧州、アジアとなる。さらに、経営精度の向上に向け、エリアとブランド事業をマトリックスで管理する新たな管理基盤を構築すると共に、コミュニケーションプロセスをシンプルにするべく、各エリアや各ブランドホルダーのCEO、CFOが直接連携する関係へと徐々に移行していく。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。