18〜29歳までの1000人に、好きなブランドのアンケート調査を行った。いわゆる「ミレニアル世代」の好きなブランドのトップは「カバーガール」だった。この世代は、品質よりもコストパフォーマンスを求めていることは知られているが、「ハイエンドブランドにも興味があることが分かった」と語るのは、このリサーチを実施したバンクオブアメリカ・メリルリンチ銀行のオリビア・タング化粧品・日用品リサーチ担当ディレクター。「エスティ ローダーの『クリニーク』と『M・A・C』がトップ5 に入っている。『クリニーク』に関しては、われわれの想像以上に、今後購入したいブランドとして多くのミ1レニアルが反応していた」という。
これらのブランドを選んだ理由について、80 %が「コストパフォーマンス」と「製品のクオリティー」が同じぐらい大事だから、と答えている。調査は160ブランドの中から選ぶ形で行われたが、リスト外で好きなブランドについて聞くと、ナチュラル・オーガニックコスメが上がってきた。「中でも『オリジンズ』『バーツビーズ』が2大ブランド」。
流通チャネルについて聞くと、40%がドラッグストアに頻繁に通っている。ターゲット、ウォルマート、CVS、ウォルグリーンなどで化粧品を買っている。次いで30%がセレクトショップ派。セフォラ、ウルタ、ブルーマーキュリー、サリーハンセンなどで購入する。さらに、ミレニアル世代のうち半分はカラーネイルを8本以上所有し、33%はセルフネイル派だ。フレグランスについては、35%が毎日使用し、42%が1〜2本を所有している。「ネイルの本数が圧倒的に多いのは、単にネイルの方が香水よりも安いから」とタング・ディレクター。「今はコストパフォーマンスを大事にする彼らだが、今後可処分所得が上がることを考えると、ブランドの品質を強調してコミュニケーションした方が、将来性が高いだろう。百貨店には足を運ばないので、『エスティ ローダー』などは遠い存在だが、トップ30のうち、エスティ ローダー社傘下の4ブランドがランクインしているのは注目に値する。ミレニアル世代がラグジュアリー・ブランドに興味を持っていることは確かで、特に傘下の『クリニーク』は、若い世代にアピールしてきたことが奏功している。チャネル、マーケティングメッセージ、価格を正しく設定すれば、ミレニアル世代からの支持を得ることができる。そのためには、常に存在をアピールし、ブランドを新鮮に保つ必要があるだろう」。