ゴルフ市場はコロナ禍で急拡大し、若年層ユーザーを取り込んだ。そこで登場したのが、従来の敷居の高いゴルフイメージとは異なる、カジュアルなゴルフのあり方だ。それに伴ってゴルフウエアも多様化し、幅広い層が楽しめるスタイルが確立された。ゴルフブームが落ち着いたとも言われる今、ゴルフウエアの新しい可能性を探る。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月25日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
若者が生み出す
新しいゴルフのスタイル
コロナ禍はまさにゴルフのバブル期だった。三密を避けたアクティビティーとして注目を集め、経済産業省の調査によると、ゴルフ場の利用者数は2020年の891万人から、21年には1025万人にまで上った。200ものゴルフウエアブランドが誕生したという話もあった。しかし外出が活発になり余暇の選択肢が増えた今、盛り上がりは落ち着きつつある。22年のゴルフ場利用者数は1053万人と微増にとどまり、メーカーからは“ゴルフ離れ”も耳にするようになった。
一方で、コロナ禍では新しいゴルフスタイルも生まれた。従来のゴルフのイメージといえば、仕事付き合いのラウンドやスコアを競うアスリートゴルフだった。難解なルールやマナー、高価格のゴルフギアやウエアなども相まって、ゴルフを始めるハードルとなっていた。しかし、若年層を取り込むためにドレスコードを緩和するゴルフ場が増えたほか、通常の半分のラウンドを回る“ハーフ”プレーの浸透や、お酒が飲める練習場なども登場し、ゴルフの楽しみ方が多様化した。
さらに海外セレブのゴルフ発信が追い風となった。ジャスティン・ビーバーやトム・ホランド、BTSのVら若年層セレブたちが、友人とカジュアルに楽しむプレースタイルをSNSで発信した。それらの投稿は瞬く間に拡散され、競技性だけでなく、友人たちとの楽しさを求める“エンジョイゴルフ”が、少しずつ市民権を得ていく。今では、SNSで#エンジョイゴルフと検索すれば、若者による多数の投稿が見られる。
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