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2014年度国内ヘアケア市場は前年比1.4%増の4414億円と堅調に推移

 矢野経済研究所は、2014年度の国内ヘアケア市場(毛髪業市場、植毛市場、発毛・育毛剤市場、ヘアケア剤市場)の売上高が前年比101.4%の4414億円と発表した。いずれの市場分野でも前年度を上回り堅調に推移した。
各市場分野別では、植毛市場の好調さが目立った。植毛市場は同108.3%の39億円。好調な一因は、形成外科や美容整形を総合的に扱うクリニックにおけるAGA(男性型脱毛症)治療の投薬治療への移行が進んだことがある。また、大手植毛専門クリニックでも積極的なプロモーション戦略推進によって新規患者の獲得に成功した。ただ、新規で参入するクリニックも増加していることから、競争環境は厳しくなってきている。

 ヘアケア剤市場は、同101.8%の2320億円で、国内ヘアケア市場での構成比は50%強を最も高かった。近年は、加齢による髪の悩みに対応する地肌ケアや、育毛をうたうスカルプケアといった機能性を訴求するブランドが好調に推移。また、50代以上の女性をターゲットにしたエンジングケアアイテムも注目を集めている。

 毛髪業市場は、同100.9%の1401億円だった。参入各社の女性用かつらに対する強化策や男性顧客向けのリピート需要への販売促進が奏功。女性向け商品が好調なことから、今後も中高年の女性をターゲットにした女性用かつらを中心に、毛髪業のノウハウを活用したヘアケア関連商品の需要拡大が期待される。また、大手企業を中心に海外市場開拓が活発化。中でも経済成長が著しいアジア地域に需要確保を目指す企業が増加すると予測している。

 発毛・育毛剤市場は、同100.5%の654億円だった。通信販売や業務用流通の拡大を背景に市場は堅調に推移した。消費者のエイジングケアに対する関心の高まりなどから、商品別では女性向けが拡大する傾向にあり、流通では医師から処方される医家向け流通で2015年4月に発毛剤のジェネリック医薬品が発売されたことから、今後は同チャネルで競争が激化すると予測している。

 2015年度のヘアケア市場規模は、人口の高齢化や薄毛人口の増加、消費者のエイジングケアに対する関心の高まりなどから、同100.4%の4432億円を予測する。今後、さらなる市場拡大のためには、人潜在需要に対する積極的な販売促進や啓もう活動が必要としている。

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