“メンズ”の枠組みを超えて商品を選ぶ購買動向は、すでに男性の間でも習慣化が進むスキンケアで顕著。研究力に裏打ちされた成分や効果・効能は、男性支持につながるポイントだ。一方で、メイクアップはまだブルーオーシャン。エントリーユーザーが多いため、「こんなふうになりたい」と思わせる世界観や提案だけでなく、メイクに慣れない男性のために寄り添う商品設計が肝要だ。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
「スリー(THREE)」 / 「ファイブイズム バイ スリー(FIVEISM × THREE)」
5年で男性客比率が2倍
性別を超えたカラーメイク加速
2018年から、性差に縛られない“個性”や“自己表現”を掲げ、男性メイク市場の開拓に挑んできたのが「スリー」の派生メイクブランド「ファイブイズム バイ スリー(以下、ファイブイズム)」だ。「ファイブイズム」が男性の間口としての役割を果たし、「スリー」ブランド全体では、この5年で男性客比率は2倍に増えた。今秋冬からは「スリー」のアイメイクやネイルのカラーも、ジェンダーにとらわれない方向性を強める。
「ファイブイズム」は「スリー」の一部のショップや百貨店の平場、セレクトショップなどで展開する。ファッション感度や美意識の高い男性をターゲットに、モードな世界観で訴求してきた。桝浩史ブランドマネージャーによると、「お客さまは、必ずしもメイクの知識や経験が豊富な人ばかりではない」。来店動機の多くは、ニキビを隠したい、肌色をよくしたいといったコンプレックスの解消。売り上げ構成はベースメイクが6割。売り上げナンバーワンは、トーンアップできる日焼け止め “FF シークレットエージェント UV”だ。「肌を美しく見せたいが、メイクをしていると思われたくない」という、リアルなニーズが透けて見える。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。