ここ数年、ファッショントレンドと連動してメイクレス、ヌーディメイクの流れが続いていた。今秋も肌作りのナチュラル志向は続いているが、今シーズンは、技術の進化によりしっとりした質感の薄付きパウダリータイプのファンデーションや、自然にカバーできるリキッドタイプのファンデーションが台頭している。
「ランコム」は8月21日、人気ファンデーションのパウダリータイプ「タンミラク コンパクト」を発売。「タンミラク」と同様の技術を使い、肌表面からと、肌の内側からの輝きを増幅させて、透明感のある明るい肌を作る。パフが特徴で、片面で塗布、起毛の面でさらに肌を磨くような使い方をすることで、艶やかな仕上がりを実現させる。PR担当者は「秋冬の肌は乾燥、艶の低下という悩みが顕著になる。リキッドでしか表現が難しいと思われたしっとり感、内側から輝くようなオーラ美肌をかなえるコンパクトが開発できたことで、日本では人気の高く、持ち運びが便利なコンパクトタイプを発売することができた」と話す。
「ジョルジオ アルマーニ ビューティ」は、シルクのような薄付きのパウダリーファンデーション「ルミナス シルク コンパクトファンデーション」を9月16日に発売。シルクのような軽いテクスチャーで、こちらもパフのマットな面で肌にのせ、フロック加工された面で肌表面を磨くようにして粉体を寝かせることで、ベアマットで上質な仕上がりになる。ロングセラー製品の、コンパクト版へのニーズに応えての製品化だ。パウダリーファンデーションは、薄付きで、両面パフを使うことが共通点だ。
また「ゲラン」も、9月4日、パウダリーファンデーション「パリュール ゴールド コンパクト」を発売する。プレストパウダーに近い軽いテクスチャーで、パウダーには、両サイドの面がゴールドのピグメントを配合。ゴールドが互いを鏡のように照らして光を反射することで、明るく輝く肌を作る。また、ミルラオイルを配合したことで、パウダーでありながら、しっとりと溶け込むように肌になじむ。
技術の進歩により、重ねても厚塗り感が出ず、潤いや艶感の出るパウダリータイプが多く出ることで、この秋冬はパウダリーファンデーションが日本人女性の心をがっちりつかみそうだ。
一方で、根強い人気のリキッドタイプも進化している。コンシーラー一体型の新製品に注目だ。「クリニーク」は8月28日、コンシーラーと一体化したリキッドファンデーション「ビヨンド パーフェクティング ファンデーション19」を発売する。先端部分にくぼみがあるアプリケーターが特長。常に適量のファンデーションを取り出すことができる。また、側面で均一に塗り広げられる他、シミや毛穴などの気になる細部には、先端部分を利用して点で重ねづけすることもできる。PR担当者は「カバー力と軽やかさを両立させた。ファンデーションを重ねることでコンシーラー効果を得られるから、ナチュラルなのにフルカバレッジが可能だ。欠点のない完璧な肌作りが1本でかなう、"魔法の杖"のようなファンデーション」と話す。
また、「プレステージ化粧品ファンデーション部門で世界シェアは24%のトップレベルである。本拠地米国では17種類のファンデーションがあり、うちリキッドタイプが12種類ある。日本で展開しているリキッドファンデーションでは7つ目だが、"パーフェクトを超える"という名前がついた会心作だ」と期待する。
「ラ・プレリー」は9月11日、キャップ部分にファンデーションにマッチするコンシーラーがセットされたリキッドファンデーション「SC コンシーラー・ファンデーション」をリニューアル発売する。2003年の発売以来、スキンキャビアエキスを配合していることから、肌の引き締めやハリ感などのスキンケア効果があるとして人気を呼んだ。リニューアルでは、進化したピグメントテクノロジーでシリコンをコーティングしたことで、時間がたってもシワに入り込むことがなく、色ムラを自然にカバーしながら、より艶やハリ感がある肌を作る。カバー力がありながら自然な仕上がりを望む人のニーズに応えた。
これまで、秋冬のファンデーションは潤い感を重視したリキッドタイプやクリームタイプが主流だった。しっとりとさせながらベアマットな肌を作れるパウダリーか、欠点をカバーしながら自然に美しい肌を作れる、コンシーラー機能にフォーカスしたリキッドか。どちらも引けを取らない進化で、ベースメイク市場が活性化しそうだ。