資生堂は12月17日、2020年に向けた中長期戦略「VISION 2020」を発表した。「動け、資生堂」をスローガンに、アクティブでスピーディーな会社への変革を図り、20年には売り上げ1兆円超、営業利益1000億円超、ROE12%以上の実現を目指す内容だ。
具体的なロードマップとして、15〜17年を、ブランド力の強化やマーケティング・R&D投資の拡大、組織・人事制度改革など"事業基盤の再構築"の期間として位置付けた。この3年間の基盤を元に、次の18〜20年で、新ブランドの開発やM&A、投資に対するリターンの獲得、新興国や未進出エリアの開拓などに取り組み、成長を加速させる。
そのための具体策として、消費者の購買接点別にブランドポートフォリオを「プレステージ」、「コスメティックス」(マスブランド)、「パーソナルケア」(トイレタリー)、「プロフェッショナル」の4つに区分し再構築。各地域のニーズに根差したブランド育成を進めるため、日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテールという6つの地域軸を組み合わせ、現地での迅速な意思決定、商品開発を実現する。また、本社と販社の壁を取り払うため、重複する機能を統合。組織やプロセスを簡素化し、営業力強化のための人員配置を行うなど、大幅な組織変更を15年4月から断行する。
こうした取り組みにより、コアブランドの拡大を図る。現在約120あるブランドの内、28の小規模不採算ブランドを統廃合し、20年には全体の売り上げの90%を15ブランドで達成する事業構造に変換。魚谷雅彦・社長は「掲げた売り上げや営業利益目標は、今までのやり方では絶対に到達できない。自分たちを追いこむために設定した数字だ。『動け、資生堂。』をメインテーマに、資生堂を若々しいエネルギーに満ち、世界中で話題になるようなアクティブな会社にしたい」と不退転の決意で締めくくった。