百貨店主要5社の2023年9月度売上高は、押し並べて1〜2割の増収だった。残暑で秋物の衣料品の動きは鈍いが、ラグジュアリーブランドなどの高額品は引き続き好調。阪急阪神百貨店は、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝の特需に沸いた。
各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が21.8%増、高島屋が12.8%増、大丸松坂屋百貨店が17.4%増、そごう・西武が3.5%増、阪急阪神百貨店が26.2%増。
阪急阪神百貨店の阪神梅田本店は前年同月比58.6%増。阪神タイガースの優勝に合わせた1週間の祝賀セール(15〜21日)を実施し、昨年4月の建て替えオープン以降で最高の週間売り上げ・客数を記録した。隣接する阪急本店にも波及効果があった。「3連休(15〜17日)は四国・九州、関東など遠方からの来店客も多かった」(同社)。同店の月次売上高も前年同月比26%増と高伸し、9月度の過去最高売上高を更新した。100万円以上の高額品の販売額は前年の約4割増だった。
残暑で秋物が伸び悩むボリュームゾーンの衣料品を、ラグジュアリーブランドはどこ吹く風の好調でカバーする。三越伊勢丹の基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)は前年同月比24.5%増。「ラグジュアリー・デザイナーズブランドではカットソー、セーターなどの秋物衣料品への関心が高い」(三越伊勢丹広報)。そごう・西武は婦人服が前年同月比9%減だったが、ラグジュアリーブランドは同21%増と伸ばした。