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残暑で秋物の動き鈍く ユニクロ9月度は4.6%減、しまむらも12カ月ぶり前年割れ

専門店チェーン、セレクトショップの2023年9月度売上高(既存店ベース)は、厳しい残暑で秋物の動きが鈍かったという声がほとんど。ここ数日でようやく秋めいてきて10月の売り上げに期待は高まるが、直近では台風の懸念も出てきており、不安材料の多い秋物商戦が続く。

国内ユニクロは前年同月比4.6%減と、3カ月ぶりの前年実績割れ。「月前半は夏物が好調、『ユニクロ:シー』『ユニクロ アンド マメ クロゴウチ』、KAWSの『UT』も悪くなかった。ただし月後半の暑さで秋物が動いていない」と広報担当者。売れ筋商品にも、“エアリズム”のインナーやブラトップ、“エアリズム”オーバーサイズTなど夏物ばかりが上がった。

しまむらの主力業態「ファッションセンターしまむら」(8月21日〜9月20日)は同0.4%減と、12カ月ぶりの前年実績割れとなった。高気温で秋物の動きは鈍いが、過去最高業績を更新した3〜8月期に引き続き、足元でも「店頭での買い上げ単価は上昇傾向」(太田誠利企画室長)という。

良品計画の「無印良品」は同0.7%減と、4カ月ぶりの前年実績割れ。ただし、衣服・雑貨カテゴリーに限れば、「端境期商品の投入が奏功」(発表資料から)したことで同23.6%増だった。都心店で急増している訪日客に、衣服・雑貨カテゴリーのキャリーケースが大ヒットしていることも押し上げ要因となっていそうだ。

アダストリアは同0.4%増と微増ながら19カ月連続の前年実績超えだった。気温に恵まれ、値上げも受け入れられて過去最高業績を更新した3〜8月期に対し、「9月は気温の高さで秋物は厳しいスタートなった。10月もやや同じ傾向を引きずっているが、少しずつ秋物が動き出している」(木村治社長)という。売れ筋はウィメンズ、メンズとも定番のパンツ、カーディガン、ニットなど。

ユナイテッドアローズも同3.5%増と、10カ月連続の前年実績超え。記録的な残暑の中でも、「メンズではカットソーやシャツなどの秋物軽衣料に加えてパンツ、ジャケット、スーツなど、ウィメンズは秋物中軽衣料のカットソー、ニット、カーディガンなどの動きが目立った」(発表資料から)。

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