川上淳也デザイナーが手掛けるTSIの「セブン バイ セブン(SEVEN BY SEVEN)」は、東京・元代々木町に路面店を10月7日にオープンする。
マンション1室ほどの空間に、オーガニックコットンの無垢のままの色合いと柔らかさを生かしたシャツ(3万6300円)やトラウザーズ(3万7400円)、無骨な雰囲気のレザーブルゾンやスエードシャツなど、コレクションのほぼフルラインアップがそろう。ブランドのクリエイションには、川上デザイナーがかつて旅した米サンフランシスコのカルチャーが根底に流れる。古着を参考に、マニアックなディテールを盛り込んだものも多い。米国で買い付けた古着、絵画やDIYした家具、ウィットに富んだオブジェなども並べ、現地のカルチャーや空気感を表現する。
「置いてあるモノについて語れと言われたらキリがない。でも僕は服の生地がどんな織り方だとか、製造年代がいつだとか、ウンチクで勝負したいとはこれっぽっちも思ってない」と川上デザイナーは話す。「袖を通して直感的にいいと思える服を作りたいし、ここ(代々木上原の店舗)はそれを体感してもらえる場にしたい」。
ブランドの認知は着実に拡大
川上デザイナーはかつてブランドと同名のコンセプトショップ(2013年〜)を都内に構え、リメイク古着などを売っていたが、ブランド運営に専念するため18年にクローズ。「ブランドのルーツは店舗。いつか復活させたいと思っていた」と語る。念願の再出店には、18年に傘下入りしたTSIの資本力が役立った。8月には伊勢丹新宿本店メンズ館6階に直営店を開き、9月には「楽天 ファッションウイーク東京」で初のランウエイショーを披露した。「女性のお客さまや卸先からの問い合わせが一気に増え、認知が広がった」と手応えを得る。婦人服やアクティブウエアが中心のTSIでは「浮いた存在」と自嘲するものの、シナジーは着実に生まれている。
■SEVEN BY SEVEN FLAGSHIP STORE
オープン:10月7日
住所:東京都渋谷区元代々木町 22-8 1階