オンワードホールディングス(HD)は5日、2024年2月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益が110億円になりそうだと発表した。当初予想を10億円上回る。中核会社のオンワード樫山による婦人服の「23区」「アンフィーロ」、クリエイティブヨーコのペット用品店「ペットパラダイス」などが計画以上に売れた。売上高は1892億円(当初予想は1888億円)、経常利益は100億円(同90億円)にそれぞれ上方修正する。
5日に発表した3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比10.0%増の904億円、営業利益が50億円、純利益が同約6倍の28億円だった。コロナ収束でアパレル販売が回復していることに加えて、19年から20年にかけて国内外で約1700店舗を減らす事業構造改革を断行し、OMO(オフラインとオンラインの融合)に舵を切ったことが奏功した。前年同期に比べて粗利益率が2.2%改善し、販管費率も3.2ポイント抑制したことが利益を押し上げた。
自社ECモール「オンワードクローゼット」で気に入った商品を最寄りの店舗に取り寄せることができる「クリック&トライ(C&T)」のサービスも売り上げに貢献した。C&Tの導入店舗は全体の51%を超え、予約件数は前年同期の2倍の5万8000件に伸びた。オンワード樫山では不採算・低収益店舗を集約するのと並行して、ブランド複合業態「オンワード・クローゼットセレクト(OCS)」を増やした。ここでもC&Tが活用され、利用客は取り寄せた服だけでなく、店頭でコーディネートした服も購入する効果を生んだ。保元道宣社長は「(C&TとOCSによって)お客さまの来店頻度が高まった。また一人の販売員がさまざまなブランドを販売することで生産性が上がった」と話す。