渡邊デルーカ瞳/ハイ ニューヨーク代表、クリエイティブ・ディレクター プロフィール
(わたなべ・デルーカ・ひとみ)ニューヨークの芸術大学、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(SVA)グラフィックデザイン科卒業。米MTV、ザ・セブンス・アート(THE SEVENTH ART)を経て2008年にハイ ニューヨークを設立。16年、日本支店を京都に開設する。著書に「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」。The One Show、Graphis、GDUSA他、アワード受賞多数。夫は「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」の共同創設者のジョルジオ・デルーカ(Giorgio Deluca)氏。パイ作りの趣味が高じて、10月20日には「デルーカ家のパイ」を出版予定 PHOTO:TORRES PEDRO
米コカ・コーラ(COCA-COLA)社の新商品から、トータルライフケアブランド「ワフィト(WAPHYTO)」まで、幅広い日米企業のブランディングを手掛ける米ニューヨークを拠点とするクリエイティブ・エージェンシー、ハイ ニューヨーク(HI NY)。共同代表兼クリエイティブ・ディレクターを務める渡邊デルーカ瞳氏は、米MTVやブランディング・エージェンシー「ザ・セブンス・アート(THE SEVENTH ART)」で研鑽を積み、20年以上ニューヨークのデザイン・広告業界の第一線で活躍してきたブランディングにおけるスペシャリストだ。
2019年には著書「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」も出版。日本の企業に発信を続ける渡邊クリエイティブ・ディレクターに、いまファッションやビューティ業界に求められる“真のブランディング力”について話を聞いた。
ーー:「ハイ ニューヨーク」が提供するブランディングのプロセスとは?
渡邊デルーカ瞳=ハイ ニューヨーク共同代表兼クリエイティブ・ディレクター(以下、渡邊):まずブランドの基礎となるブランドDNAをクライアントと共に組み立てていくところから始まります。オーナーの思いや思い描く未来などを組み込んでいきながらターゲット・オーディエンスを定め、ブランド価値を見極めていく。それから、ビジュアル・アイデンティティー(以下、VI)として、設定したブランドDNAをターゲット・オーディエンスに視覚的に伝えるためのシステムを構築していきます。ロゴ、カラーパレット、タイポグラフィなどの表現がそれにあたりますね。VIを構築したら、それを基盤にブランドの世界観を作り上げるコラテラル(販促物)、つまり消費者とのタッチポイントとなるウェブサイト、パッケージ、広告、内装外装、名刺などをデザインしていきます。このように、デザインをツールにブランド構築のサポート、問題解決を行っていくのが私たちのブランディング手法です。
ーー:20年には「ワフィト」のブランディングも手掛けた。
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