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連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第62回

「誰が作るか?」より「誰が認めるか?」が大事な時代

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※この記事は2023年10月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

正直、まだ上手く言語化できていないのですが、「誰が作るか?」より「誰が認めるか?」が大事な時代になってきた印象を受けます。

SNS全盛の時代、「誰が作るか?」より「誰が認めるか?」が大事なのは、ある意味当然といえば当然です。こと日本においては、ユーザーやインフルエンサーがSNSなどに投稿する「体験情報」は、信頼度が高く、購買行動に与える影響が大きいもの。第三者が伝えた情報により高い信頼性を感じるのは、一般的には「ウィンザー効果」、こと好意を抱くほど信頼しているインフルエンサーの場合は「ハロー効果」と言われますが、「ウィンザー効果」という名前の由来は初版が1991年に発行された小説「伯爵夫人はスパイ」の一説「第三者の褒め言葉が、どんな時も一番効果があるの。忘れないでね」というセリフに由来していると言われます。とすれば少なくとも20世紀の終わりから、わたしたちは「誰が認めるか?」に大きな価値を覚えているというワケ。ところが近年は、「誰が認めるか?」が主導権を握るようになってきたのかな?と思う場面が増えました。

例えば、パリやミラノ・コレクションを訪れるセレブリティーは、「誰が認めるか?」に価値を置く時代の賜物ではないでしょうか?「セレブリティーの来場=彼らの承認」です。彼らの来場を機にブランドに興味を持つようになったファンがいるのだとすれば、それは明らかに、「誰が作るか?」より「誰が認めるか?」の時代に突入し始めている一例と言えるでしょう。

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