ビジネス

渋谷パルコ、3〜8月期の売上高1.6倍 訪日客の取り込みで軌道に

J.フロント リテイリングの2023年3〜8月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する総額売上高が前年同期比16.4%増の5401億円、営業利益が同48.7%増の196億円、純利益が同27.0%増の129億円だった。7月以降に訪日観光客の回復が加速し、都心店の業績を押し上げた。

百貨店事業を運営する大丸松坂屋百貨店の総額売上高は同14.5%増の3199億円、営業利益が同2.2倍の104億円だった。主要店舗の売上高は大丸心斎橋店が同34.9%増、大丸梅田店が同21.2%増、大丸京都店が同15.3%増、大丸東京店が同32.3%増、松坂屋名古屋店が同9.6%増。7〜8月の既存店の売上高合計では、コロナ前の19年を1.8%上回った。

パルコの総額売上高は同17.3%増の1409億円、営業利益が同15.4%増の57億円。中でも渋谷パルコの売上高が同63.8%増の159億円、心斎橋パルコが同56.9%増の119億円とけん引した。両店の売上高の約3割が免税売上高という。J.フロント リテイリングの好本達也社長は渋谷パルコについて、「開業当初(2019年10月に建て替え開業)はコロナ禍で苦戦したが、足下の売り上げは事業計画を上回っており、かなり力強さが出てきた」とし、「個々のテナントの魅力に加え、アニメやゲームなど日本の文化に根付いた発信、エンタメ要素が海外のお客さまに響いている」と手応えを話す。

24年2月期通期連結業績予想は、総額売上高が前期比13.2%増の1兆1310億円、営業利益が同109.9%増の400億円、純利益が同89.6%増の270億円を見込む。百貨店事業の免税売上高は上期の249億円に対し、下期は297億円を計画。中国本土との直行便の回復が押し上げ効果になるとみる。

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