アダストリアは10月11日、アダストリアグループのブランドやショップのスタッフが出品者となるネットフリマサービス「ドットシィ」を開始した。同社のECモール「ドットエスティ」と会員情報を連携し、「まずは自社アパレル商品から取り扱いをスタートし、将来的にはお客さまにも出品者として参加いただけるサービスを目指す」(発表リリースから)という。
ファッションとして古着の人気が高まっていることや、サステナビリティ意識やコスパ意識の広がりと共に、二次流通市場にはネットフリマ大手の「メルカリ」を始め、多数のフリマサービスが存在する。ただし、「(フリマサイトでは)情報が多すぎて自分に合うものが見つからない、顔の分からない相手との取り引きは不安といった悩みが生まれている。同時に、好きな人のライフスタイルを真似したいといったニーズもある」と分析、「ドットシィ」開発につなげた。
「ドットシィ」は「ドットエスティ」のスタッフによるスタイリング投稿コンテンツ「スタッフボード」のフォロー情報と連携しており、好みのテーストや体形の近しいスタッフの出品商品が探しやすい仕組みになっている。「ドットエスティ」ポイントも1回の取り引きにつき1000ポイントまで(1ポイント=1円)利用可能。「ドットシィ」での買い物ではポイントは付与されない。
「ドットエスティ」は8月末時点で会員数約1650万人を誇り、アパレル企業によるECの勝ち組と言われることも多い。この会員数を武器に、今後は外部にも開かれたプラットフォームとしていかにサービスを拡大していくかがカギになる。既に2022年から、「ドットエスティ」を外部ブランドにも開放してのオープン化は始めている。「ドットシィ」ではまずスタッフの出品商品を会員が買うという形を採っているが、ゆくゆくは「メルカリ」のようなCtoCのフリマモールを目指し、循環型の仕組みを作っていくと見られる。
競合企業では、インディテックスグループの「ザラ(ZARA)」が、英国でテスト的に自社開発のCtoCフリマサービスを始めている。「ユニクロ(UNIQLO)」は10月11〜22日に、原宿店で自社古着のポップアップイベントを実施。「無印良品」は自社古着に染め直しなどのリメークを施して販売する「ReMUJI」を新宿の店舗などで強化中だ。