ドイツのシューズブランド「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」を運営するビルケンシュトック・ホールディング(BIRKENSTOCK HOLDING以下、ビルケンシュトック)は10月11日、ニューヨーク証券取引所に新規上場(IPO)した。
公開価格は46ドル(約6854円)と、仮条件レンジである44~49ドル(約6556~7301円)のほぼ中央値に設定されたものの、初値は41ドル(約6109円)とそれを10.9%下回る厳しい船出に。一時は42.51ドル(約6334円)を付けたが、終値は40.20ドル(約5989円)と12.6%安となった。今回のIPOにより、同社はおよそ4億5000万ドル(約670億円)を調達したと見られている。時価総額は76億ドル(約1兆1324億円)。
「ビルケンシュトック」は、1774年にヨハン・アダム・ビルケンシュトック(Johann Adam Birkenstock)が教会の公文書に「臣民の靴職人」と登録されたことを起源とする、250年近い歴史を持つシューズブランド。1896年には柔軟性のあるインソールを発売し、その後も医療用サンダルなど足の健康を守る機能性や履きやすさを重視した商品を主力としている。2021年2月には、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)と、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)の一族の投資会社フィナンシエール アガシュ(FINANCIERE AGACHE)に過半数株式を売却した。
今回のIPOでビルケンシュトックは1080万株を発行し、Lキャタルトンは2150万株を売り出した。現在、Lキャタルトンはビルケンシュトックの株式の82.8%を保有。ビルケンシュトックの取締役会には、アルノーLVMH会長兼CEOの息子であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクトおよびコミュニケーション部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントが名を連ねている。