英国発老舗フレグランス「クリード(CREED)」は10月13日、東京都内で新作香水“カーミーナ オーデパルファム(以下、カーミーナ)”の発表イベントを開催した。“カーミーナ”は創業一族のクリード家で発見されたヘンリー・クリードのスケッチブックが着想源。その中に描かれていたカラフルなドレスをブラックチェリーとピンクペッパーなどで表現している。
同イベントのために、創業一族7代目のアーウィン・クリードが来日。「クリード」は8月末に伊勢丹新宿本店内に出店し、整理券を配るほどの人気だという。同店で17日まで開催されている「サロン ドゥ パルファン 2023(SALON DE PARFUM 2023)」では、“カーミーナ”やディスカバリーセットなどを販売中だ。来日したクリードに話を聞いた。
日本のフレグランス市場についてクリードは、「日本人はラグジュアリーに対する感覚がとても繊細。本当に良いものやストーリーのあるものを理解している。だから、『クリード』との相性はとても良い」と語る。欧米などに比べると日本のフレグランス市場はまだまだ未熟だ。だがクリードは、「成熟している市場よりは日本のように、伸び代のある市場の方がチャレンジングで面白い」と話す。ニッチフレグランスに対する関心が高い消費者が増えている日本市場には大きな可能性を感じているようだ。
1760年にジェームズ・ヘンリー・クリードがテーラーとしてロンドンで創業した「クリード」。創業当時は、ヨーロッパの王室や貴族の御用達で、イギリス国王であったジョージ3世へ香りのついた革手袋を届けたと言われている。「クリード」のフレグランスは、今でもこだわって自社工場で生産されている。クリードは、世界各地へ自然香料を探しに行くそうだ。最近も、エジプトやインドへ訪れたという。「料理と同じで、原材料はフレグランスにとって最も重要。最高級の素材を用意するのがわれわれのモットーだ。フレグランスの良し悪しは、原材料に左右されるといっても過言ではない」。
6月にはケリング傘下に入り、新たなチャプターを迎えた「クリード」。クリードは、「代々受け継がれてきたブランドのDNAを大切にしていくことが最優先。『クリード』の出発点はテーラーだった。だから、ファッションとの親和性も高いし、さまざまな可能性を持っている」と語った。