米国のアウトドアブランド「コトパクシ(COTOPAXI)」は10月17日、高島屋京都店が増床する専門店ゾーン「T8(ティーエイト)」(3階)に新店舗をオープンする。店舗面積は約56㎡。同ブランドはBコープ認証(社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性など企業のパフォーマンスを評価する国際的な制度で、取得のハードルが高いことで知られる)を持ち、今年1月に東京・下北沢の商業施設「リロード(RELOAD)」に店舗をオープンするなど日本市場においても勢いづいている。日本で独占輸入販売権を持つアルコインターナショナル(大阪)の降幡昌弘社長にビジネスの現在地点、そして未来について聞いた。
WWD:今年1月の下北沢「リロード」に続いて、今回は京都進出。ビジネスは好調である?
降幡昌弘アルコインターナショナル社長(以下、降幡):当社が日本で「コトパクシ」ビジネスを始めたのは2021年春だが、2期目の売り上げは1億5000万円超。予算比1.5倍で着地した。3期目の現在も、やはり前期比1.5倍で推移している。
新興の、しかもバッグを主力とするアウトドアブランドで、かつなかなかにクセのある商品を扱っていて、この数字は合格点と言えると思う。京都店のオープンは、さらなる起爆剤になると期待している。
WWD:日本におけるアウトドアブームは「沈静化した」とも言われる。市況をどう見ている?
降幡:キャンプなど、アクティビティーとしてのアウトドアは確かに沈静化したかもしれないが、「コトパクシ」はアーバンアウトドアブランドであり、ブームを経て今はむしろ追い風を感じている。下北沢店はわずか約46㎡だが、月に700万円を売り上げる。これは想定の倍だ。
WWD:内訳は?
降幡:バッグが8割、残り2割をアパレルが占める。価格はバッグが1万5000〜3万円、アパレルが1万〜2万円だ。
WWD:好調をアシストしているのが、「コトパクシ」のアイデンティティーともいえるカラフルさである?
降幡:おっしゃる通り、ファッションとしての取り入れやすさは強みだ。
WWD:色へのこだわりについて聞きたい。
降幡:“カラーを通じて、人を元気にしたい”というのがブランドの思い。例えば、バッグの代表的シリーズ“デルディア”は生地の100%に残布を使っており、完全アソート(一点物)のカラフルなパッチワークが魅力だ。同バッグはフィリピンの工場で生産しており、これは発展途上国の雇用創出のためのアクションでもある。
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WWD:「コトパクシ」はBコープ認証を持つ。日本市場でサステナビリティ意識の変化を感じる?
降幡:正直、一般ユーザーが“サステナブルだから買うか?”というと、答えはNOだろう。ただし「コトパクシ」の場合、カラフルなバッグに引かれて入店し、スタッフが企業理念などを話すことで決定の後押しはできていると思う。
WWD:今後の出店計画について聞きたい。3店舗目は、やはりアルコインターナショナルのお膝元である大阪で?
降幡:特に大阪にこだわってはいないが、昨年9月から今年7月末までグランフロント大阪にポップアップストアをオープンしていたこともあり“経験値”は持っている。とはいえ良い話があれば、札幌でも福岡でも横浜でも出店には前向きだ。実際に、たくさんの声をいただいている。
WWD:京都店(単店)の初年度売り上げ目標、24年にかけての3期目のブランドの売り上げ目標を教えてほしい。
降幡:京都店は1億2000万円、ブランド全体では3億円が目標だ。アウトドアファッション市場に、カラフル革命を起こしたい!
「コトパクシ」は米国人デイビス・スミス(Davis Smith)が2014年にソルトレイクシティで創業した。日本ではアルコインターナショナルが21年春から展開する。
■「コトパクシ」京都
オープン日:10月17日
時間:10:00〜20:00
定休日:無休
場所:高島屋京都店「T8」3階
住所:京都府京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町35
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