今季の公式スケジュールに名を連ねた107ブランドのうち、日本勢は11組(オフスケジュールの「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」を含めると12組)。そのコレクションから感じるのは一時的なトレンドやバズを追い求めるわけではなく、それぞれが独自の美学や信念を貫き、モノ作りやショー制作に取り組んでいるということだ。結果、総じてレベルが高く、競合ひしめくパリコレの中でもオリジナリティーが際立った。ここでは、別途紹介した「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「サカイ(SACAI)」をのぞく10ブランドをリポートする。(この記事は「WWDJAPAN」2023年10月16日号からの抜粋からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「アンダーカバー(UNDERCOVER)」
はかなくエモーショナルな
ベストコレクション
テーマは「ディープ・ミスト」。シルクやハイテク素材など5種類の透ける素材の奥に見えるのは、完成度の高いテーラードの構造。その意図を高橋盾デザイナーは「デザインを消したかった」と表現し、リリースには「薄れていく記憶のように流れてゆく布、闇の中にうっすら見え隠れするシュールな世界」とある。ドイツの画家ネオ・ラオホの作品、そして自身が描いた「目のない肖像画」の作品がダークファンタジーの世界観を深めている。カジュアルと官能。相反する2つの世界を技術と感性で手に入れた、ベストコレクション。
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