「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアイコンバッグ“カプシーヌ(Capucines)”と現代アーティストによるコラボレーション「アーティーカプシーヌ コレクション(Artycapucines Collection)」の第5弾が発表された。今回起用したアーティストは、マラウイ生まれで南アフリカ拠点のビリー・ザンゲワ(Billie Zangewa)とポーランド人画家のエヴァ・ユシュケヴィッチ(Ewa Juszkiewicz)、アメリカ人アーティストのライザ・ルー(Liza Lou)、フランス人とセルビア人のデュオ、トゥルシック & ミル(Tursic & Mille)、中国人アーティストのジピン・ワン(Ziping Wang)の5組。
ザンゲワは、息子ミカをフィーチャーした2020年の作品「ザ・スイミング・レッスン(The Swimming Lesson)」を再現し“カプシーヌ”にデザイン。騙し絵風のプリントや表現豊かな刺しゅう、あえて目立たせたハンドステッチを組み合わせた。時代問わず女性のアイデンティティーに関心を寄せるユシュケヴィッチは、女性のヘアスタイルが特徴的な21年のシュールレアリスム(超現実的主義)作品「ジンジャー・ロックス(Ginger Locks)」を鮮やかなプリントやゴールデンパールの装飾で表現した。ルーは、「キッチン(Kitchen)」などの大規模な立体作品やアートワークできらびやかなビーズを使うことで知られているが、今回もビーズを用いソフトレザーをデザイン。幻想的なパステルカラーのアートを上からプリントした。さらにボディーにかかる緩やかなドレープが気品あふれる。トゥルシック & ミルは、シグネチャーのフラワーシェイプをバッグのフレームに取り入れ、ボディーに21年の絵画「テンダーネス(Tenderness)」を刺しゅうなどで鮮やかに表現した。ハンドルとLVロゴは、炭化処理を施したシダーウッドを使用している。ワンは、史上最小の「アーティーカプシーヌ コレクション」を制作。ビビッドカラーやキャンディなどのお菓子をモチーフにデザインが、レザーにパッチワークとマルケトリの手法であしらわれている。
第5弾「アーティーカプシーヌ コレクション」は10月中旬から販売を開始する。5種類のモデルは、特別ボックス付きで各157万8500円。それぞれ200個限定となる。昨年に続きアート・バーゼル(Art Basel)主催の見本市「パリ+(Paris+)」でもお披露目予定だ。
19年に登場した“カプシーヌ”は、「ルイ・ヴィトン」が1854年に初の店舗を構えたパリのヌーヴ・デ・カプシーヌ通りにちなんで名付けられたアイコンバッグ。シンプルでエレガントな台形と扱いやすいワンハンドル、LVロゴが象徴的だ。デビュー以来、29組の現代アーティストとコラボレーションする「アーティーカプシーヌ」は、アーティストの独創性とメゾンの熟練した職人による創意工夫やクラフツマンシップを融合し、全く新しい“カプシーヌ”を生み出している。