TSIホールディングスの2023年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比1.7%増の732億円、営業利益が同9.6%減の5億3200万円、純利益が同34.6%減の14億円だった。天候不順などに伴う販売不調で値引き販売が増え、売上総利益率が悪化した。純利益は受取配当金(6億9000万円)などの営業外収益、有価証券売却益(5億1000万円)の押し上げ効果があった。
ブランド別では、急成長を続けていたグループ内売上高1位のゴルフブランド「パーリーゲイツ」が同5.1%減の83億円と失速した。下地毅社長は「ゴルフ市場は(ブランドが)飽和状態にあり、ブームも一巡している」としながらも、売り場のテコ入れで再成長の余地はあると見る。具体的には「パーリーゲイツ」とともに、「ピージージー」「マスターバニーエディション」「ニューバランスゴルフ」など他のゴルフブランドを複合・集積した売り場づくりを進める。
日本企画のカジュアルラインが好調の「マーガレット・ハウエル」は、売上高が同12.2%増の67億円と伸ばし、「ナノ・ユニバース」(同1.4%増、62億円)を抜いてグループ2位となった。売上高トップ10のうち8ブランドが増収となったが、全社的な値引き販売の増加傾向により、連結での売上総利益率は前年同期比0.8ポイント悪化した。
EC売上高は前年同期比6.6%減と鈍化している。自社EC「ミックスドットトーキョー」でのブランド横断でのコーディネートネート提案や、新たなモール型ECの立ち上げ準備を進める。
24年2月期連結業績は、売上高が前期比4.9%増の1620億円、営業利益が同2倍の47億円、純利益が14.3%増の期初予想を据え置く。「好調事業への重点投資」「EC強化」「秋冬商品の在庫コントロール」「販管費コントロール」の4つの改善施策により巻き返しを図る。