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インフルエンサースタッフの代理AIと会話 パルが期間限定でサービス開始

パルグループホールディングス(HD)は、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサースタッフの代わりに本人のAI(人工知能)とデジタル上で会話(チャット)ができるサービスを19日から期間限定で始めた。AIなどの先端技術を手掛けるAIQ(アイキュー、東京、渡辺求社長)と協業する。

サービス名称は「ファッションメイト」。自社サイト「パルクローゼット」の恒例のキャンペーン「秋のパルクロウィーク」(10月19日から31日)のコンテンツとして展開する。「ミスティック」「カスタネ」「スリーコインズ」などで働く13人のインフルエンサースタッフを生成元にし、友だちのように気軽にコミュニケーションできるサービスを目指した。インフルエンサースタッフが過去にインスタグラムに投稿したデータを分析し、本人の価値観、ライフスタイル、嗜好、言葉づかいなどを学習した上で、本人さながらのチャットのやりとりを行う。

例えばAさんというインフルエンサースタッフに対し「おすすめのコートはありますか?」と問いかけると、Aさんのインスタを学習したAIが本人のように答える。絵文字も本人がよく利用するものを使う。最近の投稿で当てはまるような画像も添付する。その画像から本人のインスタに移ることもできる。

パルには数万から十数万のフォロワーを持ちながら店舗や本部で働くインフルエンサースタッフが多数在籍する。インスタには毎日たくさんの質問がDMを通じて届く。「物理的に全ての質問に対応できないが、DMに答えられないことがスタッフにとってプレッシャーになっていた。利用者にはあくまでAIだと認識してもらった上で、コミュニケーションを楽しんでもらいたい」(堀田覚・執行役員WEB事業推進室長)。スタッフインフルエンサーも「本当の私みたい」とAIの完成度に驚き、導入に前向きだという。プライバシーに関する質問については答えないように設計されている。

パルグループHDとAIQは、ファッションビジネスでのAI活用を研究する「デジタルメイト・ラボ」を今年の夏に立ち上げた。顧客コミュニケーションのAI活用を話し合う中で「ファッションメイト」の企画が浮上した。AIQの渡辺社長は「実在の人物を生成したクローン会話のサービスは、おそらく日本で初めて。ここで得られたデータを次の開発に生かしたい」と話す。今回はあくまでコミュニケーション手段としての実験だが、開発が進めば在庫の有無など販売に関する質問にも対応することも視野に入れる。

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