「ブルマリン(BLUMARINE)」は10月19日、ニコラ・ブロニャーノ(Nicola Brognano)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。声明によると、退任は双方の合意によるもの。9月にミラノ・ファッション・ウイークで発表した2024年春夏が最後のコレクションとなった。後任は未定だ。
1990年生まれのブロニャーノ=クリエイティブ・ディレクターは、「ブルマリン」の親会社であるブルーフィン(BLUFIN)がイタリア人起業家のマルコ・マルキ(Marco Marchi)率いるEIH エクセレンツェ イタリアーネ(EIH ECCELLENZE ITALIANE)の傘下に入った直後の2019年末に、クリエイティブ・ディレクターに就任。フェミニンかつロマンチックなスタイルで知られるイタリアの由緒あるブランドを刷新するため、“Y2K”ファッションの美学を取り入れた。
20年9月のデビューショー以来、彼はチョウやバラといったブランドのアイコンを用いつつ、大胆な肌見せを楽しむブラトップやミニスカート、ローライズのウォッシュドジーンズやカーゴパンツ、コンパクトなニット、ボディーラインを際立たせるドレスなどで、若さあふれるコレクションを提案。「ミュウミュウ(MIU MIU)」にも関わるスタイリストのロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)とタッグを組み、パンチの効いたスタイリングで明確な方向転換を見せてきた。デビュー当初は、2000年前後のパリス・ヒルトン(Paris Hilton)を思い起こさせるようなスタイルがファッション関係者を困惑させたが、その後“Y2K”が大きな波となり、時流をいち早く捉えていたことが分かった。そして、結果的にブランドが若い世代から再び脚光を浴びることに貢献した。
ブロニャーノ=クリエイティブ・ディレクターは、「プロとして、クリエイターとして、そして人間としての経験を豊かにしてくれた」と「ブルマリン」での仕事を振り返り、「このブランドに再びスポットライトを当てることは、本当にユニークでエキサイティングな機会だった。このチャンスを与えてくれたマルコと、共に素晴らしい仕事を成し遂げたチームに感謝している」とコメント。一方、マルキEIH エクセレンツェ イタリアーネ創業者は、「ニコラは『ブルマリン』のコードを解釈し、独創的かつ現代的な方法であらためて表現することで、ファッション関係者や顧客からの関心を再び高めてくれた。4年間にわたる実りあるコラボレーションで発揮された素晴らしいプロフェッショナリズムに感謝する」と述べた。