「ディプティック(DIPTYQUE)」から、リフィラブルなキャンドル“レ モンド ドゥ ディプティック(以下、レ モンド)”が登場した。今年は同ブランドのフレグランスキャンドルが誕生して60周年。その新たなチャプターの幕開けを象徴するのがこのコレクションだ。
楕円形の一枚岩のように見える3層のガラスは創業者であるデスモンド・ノックス・リット、クリスチャンヌ・モンタドル・ゴトロ、イヴ・クエロン3人へオマージュ。このオブジェのようなホルダーはイタリア人デザイナーのクリスティーナ・チェレスティーノがデザインした。5種類のキャンドルの香りは、「ディプティック」でも香水を手掛ける調香師のオリビア・ジャコベッティが手掛け、10種類以上の香料をミックスし香水のような複雑な香りに仕上げている。
苔寺やルネサンス庭園の清々しい香りを自宅で
“タンプル デ ムース / 苔寺”の目的地は、約120種類の苔が広がる京都の苔寺。緑の苔のじゅうたんに囲まれた禅寺の静寂や心地よさを、抹茶のノートをミックスしながら表している。“ラ ヴァレ デュ タン/時の谷”は、中国江西省景徳鎮への旅を表現。景徳鎮は、中国磁器(白磁)の発祥地であり、周辺で栽培される白茶の名所だ。キャンドルに火を灯すと、緑の茶畑の情景と繊細なお茶を想起させる香りが漂う。“ナンフェ メルヴェイユ / 驚きの庭園”の着想源は、イタリア・ミラノに程近いヴィッラ・リッタ・ボッロメーロ公園。16世紀ルネサンスの様式の公園には53もの水場があり、オレンジの花が咲き誇っている。熟した柑橘のシトラス系ノートとオレンジフラワーの香りがあいまったフレッシュな香りだ。
ジャングルや砂漠の熱気をも感じさせるプリミティブな香り
イギリスの詩人で収集家だったエドワード・ジェームズ卿が愛したメキシコのジャングルにあるシュールな庭園をイメージした“ラ フォーレ レーヴ / 森の夢”。生い茂る植物とシュールなコンクリートの彫刻が調和する庭のエキゾチックで夢幻的な香りをチュべローズやイランイラン、ジャスミンといった熱帯の花の香りを調香し、ミステリアスな楽園を想起させる香りに仕上げている。米コロラド州の砂漠にあるメサ・ヴェルデ遺跡への旅を表現したのが“テール ブロンド / 黄金の大地”だ。太陽の光を浴びて黄金に輝く穀物や焼けた大地を感じさせる玄人向けの香りになっている。