5月20日から6月9日まで、伊勢丹新宿店5階に限定ショップ「アン・ジュ—・アン・プロヴァンス(プロヴァンスの香りとともにある一日)」がオープンしている。プロヴァンス発のオーガニックコスメブランド「フローラム(Florame)」と、同じくプロヴァンス発のホームフレグランスブランド「Collines de Provence(コリンヌ・ド・プロヴァンス)」を一緒に扱っているショップで、売り上げ予算を大きく超えて、好調に推移しているという。30日にはフランスからローマン・ルース=フローラムCEOが来日し、トークショーを行った。
「われわれ『フローラム』が一番得意としているのはラベンダーの精油だ。ラベンダーファイン、ラベンダーハイブリッドなど、6種類ほどを扱っている。ラベンダーはラテン語の『ラバレー』が語源で、『きれいに洗う』という意味が込められている。また、殺菌、リラックス、空気浄化などの効果も知られている。祖母もラベンダーの香りをよく使っていたので、子どものころからラベンダーには親しんでいる。こうした精油を作るのに、われわれは水蒸気蒸留法を用いている。この水蒸気蒸留法を守り続けるのが私のミッションだと考えている。水蒸気蒸留法で精油と一緒に作られるフローラルウォーターのほうが、精油よりも生の花に近いフレッシュな香りがする。アルコール、エッセンシャルオイル、フローラルウォーターを使えば、オリジナルの手作り香水も作ることができる。プロヴァンスの伝統的な香水の作り方だ」という。
オーガニックの精油という意味では他に競合がないと語る彼だが、オーガニックコスメについては「伸びしろがあると思う。科学者とともに新しい処方に挑戦し続けている。父の時代から薬局で販売するコスメを作っていたので、効果効能については実感してもらえると思う。ほとんどの製品でコスメビオやエコサートの認証を取っているが、オーガニック農法には徹底的にこだわっている。たとえば、われわれのラベンダーの畑には、ハチや蝶々が舞い、雑草が生えている。農薬を使った畑には虫も寄り付かなければ、雑草も生えない。オーガニックで育てていることがよくわかってもらえるだろう。それを表現するために、ブランドロゴの最後に蝶々をつけた。ハーブの栽培は天候に左右されるため、年によって出来が変わってくる。ワインと同じようなものだ。いまでは精油を分析すれば、どの年に育ったものなのかがわかる時代。ちなみに私が好きなのは『ラベンダーファイン』の2010年もの(笑)」。
オーガニックに加え、トレーサビリティはもちろんのこと、「フローラム」「コリンヌ・ド・プロヴァンス」の拠点であるプロヴァンス発にもこだわっている。またマダガスカルでもハーブを育てているが、フェアトレードをもとに栽培がおこなわれているという。「オーガニックにこだわるのは消費者のためだけでなく地球のためだ。ひいてはそれが自分たちのためになるからだ」。
コスメビオの代表も務めるルースCEOだけに、オーガニックコスメに対する思い入れは人一倍強い。トークショーは31日も11時、15時に開催される。
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