10月30日号の「WWDJAPAN」は、生成AI特集です。会話型AI「ChatGPT」をはじめとして、話し言葉の入力でコンテンツを生成できるAIがビジネスシーンに浸透し始めています。「ChatGPT」は、一般的に文章の要約や翻訳、コード書き、アイデアの“壁打ち”などに使われますが、ファッション業界においてはどんな活用の可能性があるのかを、先行企業の事例とともに探りました。
生成AIの可能性とリスク
まず、生成AIとは何なのか?ファッション業界にどんな影響があると思うかを元ZOZO NEXT チーフAIオフィサーの専門家、野口竜司ELYZA CMOに聞きました。「ChatGPT」への音声入力で、影響予測を瞬時にマインドマップとして見せてもらい記者は驚愕。記事にも収めました。
企業活用事例では、日本語に特化した大規模言語モデルを開発するインターネット広告の雄、サイバーエージェントを取材しました。制作したクリエイティブの広告効果を予測し、より効果の高いものを作ろうとする同社ですが、生成AIを取り入れることで広告コピーの提案の精度が向上。ターゲットや媒体ごとに設定もでき、デザイナーの生産性と広告効果予測の基準をクリアする確率が上がっています。
そのほか、売れ残り品の出品者に商品タイトルと価格の改善を提案するAIアシストをアプリに実装したメルカリや、AIでバリエーションを生成して、キーワード選択で生地のプリント柄を提案するシステムを導入した豊島、独自の生成AIサービスを社員約4200人に開放した伊藤忠商事を取材しました。リスクを知ることも大事です。福岡真之介弁護士に法的リスクを聞きました。そして、表紙がなぜ蝶なのか?答えは中面を確認ください。
ミニ特集では、「ユニクロ」「ジーユー」が絶好調なファーストリテイリングの赤字ブランド「プラステ」復活の戦略を追います。人気長寿連載「ミステリーショッパー」が行くは、ラグビーウエアブランド「カンタベリー」の青山店を調査しました。メンタルヘルスについての新連載もスタート。教育者の熊平美香さんに企業および企業ができるメンタルヘルスケアについて話を聞きました。
最終面の「ファッション&ビューティ パトロール」では、東京・久我山の無人古着店「古着屋 ジャンボデンキ」のオーナーにインタビュー。「ChatGPT」ベースの独自システムを入れたタブレットで、同店のマスコットキャラクター、ジャンボくんとの会話も楽しみました。
(COVER CREDIT)
ART WORK:OAK
ART DIRECTION:RYO TOMIZUKA
付録の「WWDBEAUTY」は、国内外のプレステージ化粧品市場で圧倒的な存在感を見せる「ディオール」特集です。百貨店やコスメショップの「ディオール(DIOR)」売り場は今、若者からマチュア世代まで幅広い層が買い物を楽しみ賑わっています。売り上げランキングや美容メディアの“ベストコスメ”企画でも常に上位に入り、ここ数年は勢いが増しています。本特集では、その強さの理由を探ります。
全方位の商品力と“攻め”の姿勢、巧みなストーリーテリング
バイヤーなどステークホルダーへの取材から見えてきたのは、メイクアップからフレグランス、スキンケアまでの全カテゴリーでヒーロープロダクトを抱える全方位の商品力、歴史あるブランドでありながら革新を恐れない“攻め”の姿勢、ブランド価値を高めるストーリーテリングの巧みさです。特集後半では、各カテゴリーのヒーロープロダクトとイベント施策にフォーカスします。
ニュース面では、「パット・マクグラス ラボ」とグーグルがニューヨークで開催したARメイク体験イベントと、中国市場を主戦場とするアクシージアの事業戦略についてお届けします。連載「BEAUTY RESEARCHERS」は、ポーラ化成工業が取り組む乳化剤研究について伝えます。
WWDBEAUTY
PHOTO : KODAI IKEMITSU(bNm)
PROP STYLING : HANAE UWAJIMA(SIGNO)
DESIGN : JIRO FUKUDA