デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による新ブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」が遂にベールを脱いだ。10月27日金曜日にロンドンのショールームで1対1のアポイント制でデビューコレクションを披露。服はラックにかけ、ジュエリーや靴、バッグ、アイウエアはテーブルに並べてお披露目した。フィービー自身の姿はそこにはなかった。
上質な素材使いと完璧なシルエット、ボリュームや質感で加える華やかさ、女性らしいシルエットが特徴で、色は黒、白、オリーブ、オックスブラッドと呼ばれる赤に限られている。ほどんと飾り気のない、ときに“修道服”のようなラインアップを見て “クワイエット・ラグジュアリー”という言葉思い浮かぶ人が多いかもしれないが、よくよく見ると一点一点、細部までよく考えられたドラマチックな服であることがわかる。
「セリーヌ」時代にフィービーが好んだアイテムをアップデート
メンズライクなダブルブレストのパンツスーツや肉厚サテンのブラウス、オーバーサイズのボンバージャケット、ベルスリーブのドレスなど、「セリーヌ(CELINE)」時代にフィービーが好んだ素材やアイテムを多用しつつ、そこに入れるさまざまなひねりが服に2023年の空気を注いでいる。5ポケットのテーラードパンツは、膝を包み込むようにボンデージ風の装飾をあしらい、ファスナーで大胆なスリットを入れる。キーアイテムの一つであるボンバージャケットはウエストを砂時計のように極端にくびれさせている。ストレッチのレギンスや大胆なグラフィックを散りばめたスキーセーターといったスポーツの要素が躍動感を、糸のような刺しゅうをびっしりと施したコートや輝く装飾を散りばめたボディスーツが華やかさを添える。
購入はウエブサイトからのみ。春には第2弾が登場
アクセサリーは、電子レンジが入るほどの大きなレザーのトートバッグやオーバーサイズのサングラス、アール・デコ風のイヤリングなど。23金のネックレスは「Mum」の文字が連なるように刻印されており、3人の子供の母としてフィービーの誇りも感じさせる。
フィービーはこのデビューコレクションを“エディット”と呼んでおり、シーズンレスで継続的なコレクションの一部と位置付けている。150のアイテムは3回に分けてデリバリーし、ウエブサイトからのみ購入できる。第2弾は2024年春に登場する。
サステナビリティに関するメッセージも発表
同ブランドは今後も従来のファッションカレンダーではなく自身のスケジュールで発表をする予定だ。これは過剰生産を避けることが一つの目的でサステナビリティについては次のようなメッセージを発表している。「全体的な環境への影響に取り組むという決意の一環として、私たちは過剰消費、廃棄物、ファッションのサプライチェーンといった物質的な問題に焦点を当てています。私たちの目標は、永続性を反映した製品を作ることです。『フィービー ファイロ』のビジネスモデルは、生産と需要の間に責任あるバランスを生み出すように設計されています。つまり、需要の見込みより少なく生産するということです」。
ブランド公式インスタグラム・アカウントは現在投稿がないが、28万7000人のフォロワーを誇り、その多くが最新情報を受け取るために公式サイトphoebephilo.comに登録しているようだ。ウエブサイトで公開しているキャンペーンイメージには、ギリシャのアテネでストリートキャスティングした人物や、フィービーのお気に入りであるカナダ人モデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)を起用した。