ZOZOは2024年3月期から、配当性向の大幅引き上げや自己株式の取得など、資本効率を重視した財務施策を実施する。24年3月期の配当金を上期49円、下期49円、合計98円に大幅に引き上げる(前年は71円)ほか、期末にかけて100億円を投じ、自己株式の取得を行う。栁澤孝旨・取締役CFOは、「これ以上の自己資本の増加は資本効率の悪化を招く。今後の自己株式の取得も含めた総還元性向は中長期の通算(概ね5年平均)で80%超を目指す」という。
23年4〜9月期決算は商品取扱高(=GMV、その他商品取扱高を除く)が前年同期比6.2%増の2416億円、売上高が同7.7%増の902億円、営業利益が同6.3%増の289億円、経常利益が同6.1%増の291億円、純利益が同6.5%増の203億円だった。
GMVは前年同期比だと22年10〜12月が9.1%増、23年1〜3月が7.0%増、4〜6月が6.4%増、7〜9月が6.1%増とやや伸び悩んでいる。その背景について澤田宏太郎社長CEOは「7〜9月は9月の残暑の影響で夏物販売の時期が伸び、秋冬物の立ち上がりが遅れた」という。
また、物価上昇に伴う値上げの影響に関しては「テナントのブランドの状況を見ると、秋冬物で5%以上の値上がりを見込んでいる。ただ、この1年値上げは続いているが、影響は少ない。下期以降の秋冬物販売についても影響は軽微だと考えている」(澤田社長)。
対GMV比の粗利率は0.2%改善の22.9%。商品単価は前年同期比3.0%増の3590円、出荷単価は同4.3%増の7894円。100億円を投じたつくばの物流拠点「ZOZOBASEつくば3」の稼働開始に伴う設備投資などでコストは増加したものの、商品単価が7四半期連続で、出荷単価が6四半期連続で増加しており、粗利率の改善に寄与した。「残暑で秋冬の立ち上がりが遅れたものの、物価上昇やセール商材の割引率の低下などが寄与した」(栁澤CFO)という。