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ペ・ドゥナ、水川あさみ、鷲尾賀代が映画界のジェンダー平等を語る ケリング主催のトークショーで

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)は10月27日、「第36回東京国際映画祭」の公式プログラムの一環で、韓国の俳優ペ・ドゥナ、俳優の水川あさみ、WOWOWプロデューサーの鷲尾賀代を招いたトークイベント、ケリング「ウーマン・イン・モーション」を開催した。映画界におけるジェンダー平等を推進することを目的に、女性を取り巻く環境の変化や#MeToo運動などについてトークを繰り広げた。

水川は日本の映画界の変化について聞かれると、「撮影現場では女性のスタッフが増えてきたと感じる。でも女性が年齢を重ね、結婚して子どもを産み家庭を持ちながら仕事をするバランスを上手くとるのはまだまだ難しいようだ」とコメント。ぺは20年以上のキャリアを振り返り、「私が初めて女性監督と仕事をしたのは2000年代初め。現場で末っ子のような立場でいる時は周りに可愛がられるのに、監督になると男性監督には起こらないような摩擦が起こっているのを不当だと感じていた。チョン・ジュリ監督の『あしたの少女』という作品の現場では、多くの女性が活躍していてデビュー当時と比較すると女性を取り巻く環境は本当によくなった」と話した。

欧米では#MeToo運動が転換点に

特に欧米では、ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)による性暴力の被害を受けた女性たちが次々に告発し、大きな社会運動に発展した#MeToo運動が、業界関係者の意識改革をもたらした。アメリカで10年以上プロデューサーとして活躍する鷲尾は、「それまで白人男性がメインで雇われていたポジションに、意図的に必ずマイノリティか女性を配置しようという声が一気に上がった。私自身は、実力のある人を雇って、それがたまたま全員白人男性や黒人女性でもいいのではと考えていたが、現地の人たちとの議論の中では『今まで白人男性がずっと雇われてきたのだから、女性やマイノリティの人々はまだスタートラインにも立っておらず、経験を積んできた白人男性と比べるのは不公平だ。だから今は意図的に機会を与えるために女性やマイノリティを雇って、その後に平等に実力で比べられる時代がくるのだ』との意見がありハッとした。日本は変わることがものすごく不得意なので、最初はコピーからでもいいのでやるべきだと思う」と意見した。ぺも、「今は声を上げなければいけない過渡期。より映画界がクリーンになってほしい」と賛同した。

女性の連帯を意味するシスターフッドが日本の映画界にも存在するかと問われると水川は、「まだ私の周りでは見えてない。今回のトークショーもシスターフッドを感じられる1つ。そういう動きを広めていきたい」とコメントした。

ジェンダー平等を推進するケリングは、映画やアートなどの文化芸術界における女性の活躍に光を当てることを目的としたケリング「ウーマン・イン・モーション」プログラムを2015年に発足した。映画界に貢献した人物を讃える「ウーマン・イン・モーション」アワードには過去に、ジェーン・フォンダや、ヴィオラ・デイヴィス、ミシェル・ヨーらが受賞している。本トークイベントは、19年と22年に続く3回目の開催となった。

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