専門店チェーン、セレクトショップの2023年10月度売上高(既存店ベース)は、引き続き残暑で秋冬物の動きが鈍い。ただし、朝晩の気温が下がったことで、「カーディガンなどの軽い羽織りが動き出した」といった声も出ている。
国内ユニクロは前年同月比8.5%減。前年10月が2ケタ増だった反動もあり、9月の同4.6%減を超えて大きく落ち込み、天候影響を如実にくらっている。「Tシャツや、薄手のカーゴパンツやタックワイドパンツが夏から売れ続けており、CMで打ち出しているニット類や“ヒートテック”、“暖パン”などは動いていない」と広報担当者。「ユニクロ:シー」や、「ホワイトマウンテニアリング」「コントワー・デ・コトニエ」とのコラボなどは好調という。
しまむらの主力業態「ファッションセンターしまむら」(9月21日〜10月20日)は同1.4%減と、こちらも前月に続き前年割れ。「冬物のアウター衣料や肌着、寝具や服飾雑貨は、高気温の影響で鈍い動き出し」(発表資料から)という。
良品計画の「無印良品」は同12.9%増、衣服・雑貨カテゴリーも同10.9%増となり、いよいよ復調の兆し。「月の中旬までは衣服・雑貨および生活雑貨がけん引し、前年実績を上回るペースで推移。下旬は、会員向けセール『無印良品週間』(10月27日~11月6日)の効果が加わり、すべての商品カテゴリーで高い伸長となった」(発表資料から)。
アダストリアは前年10月も好調だったが、今年も同5.0%増と伸ばし、気を吐いている。「昼間気温は下がっていないが、朝晩が冷えるようになったことで、9月に売れなかったカーディガンなどが動いた」(広報担当者)ことが好調要因という。
ユナイテッドアローズは同1.7%増。「月を通じて気温が高く、冬物アウターの需要は鈍かったものの、カットソー、シャツ、カーディガン、パンツ、スカートなどの中軽衣料が堅調だった」(発表資料から)。