東京都が主催するエンドユーザー向けのファッションイベント「東京 ファッション クロッシング(TOKYO FASHION CROSSING)」が、11月3日に開幕した。6日までの4日間、丸の内、銀座、渋谷を舞台にファッションショーやトークセッション、ポップアップストアなどさまざまな企画を実施する。多くのイベントが一般参加可能だ。
初日は、丸の内を舞台にイベントを実施した。「WWDJAPAN」編集長の村上要と、フォトグラファーのシトウレイによるトークセッションでスタートした。トークテーマは“ファッションショーの読み解き方”。「ショーは、デザイナーやブランドからの問いかけ」「こんなことを言いたいのかなと想像すると面白い」など、実際のショー映像を見ながら、業界関係者以外にはなじみの少ないショーの楽しみ方を伝えた。会場は東京ミッドタウン日比谷6階のイベントスペースで、事前申請した一般参加者約50人が参加した。
13時30分からは、丸の内仲通りでの野外ファッションショーを開催。オープニングセレモニーには、同イベントのアンバサダーであるテリー伊藤と冨永愛、ゆりやんレトリィバァ、kemioの4人が登壇した。「日本人は世界中の文化を取り入れて発展させる才能がある。ファッションセンスも世界一だ」(テリー伊藤)、「5日には(銀座でのショーで)ゴリゴリ歩くので、ぜひ来てください」(冨永愛)、「僕はニューヨークに住んでいて、日本のファッションは世界中で評価されている。その魅力を再認識してもらえたら」(kemio)、「周りを見渡せすと、全員が服を着ている。これは、ファッションが浸透している証です」(ゆりやん)とコメントした。
ショーのテーマは“ダイバーシティ”で、スタイリングは濱本愛弓が担当した。人種や年齢、身体的特徴などバラバラの個性を持つモデルたちが、「シュタイン(STEIN)」「タナカ(TANAKA)」「フェティコ(FETICO)」「ハルノブムラタ(HARUNOBUMUARATA)」といった東京ブランドの2023-24年秋冬コレクションを着用した。道に敷いたランウエイは、赤や緑、青、黄と鮮やかな絵の具で彩られた。これは、障害を持つ作家、郁美さんによるアートワークで、障害を“個性”と捉えて社会の価値観の転換を目指すヘラルボニーとの協業で実現した。
ランウエイ脇のシート60席には業界関係者が並んだものの、会場周囲には200人を超える一般客も物珍しさで集まり、一帯はにぎわった。「冨永愛オーラやばい」「ショーってこんな感じなんだ」「子どものモデルかわいい」と、思い思いの感想を口にしながらショーを楽しんでいた。