阪神梅田本店は、阪神タイガースの38年ぶりの日本シリーズ制覇から一夜明けた6日午前8時30分から「Vセレモニー」を開催した。球団のマスコットキャラクターのトラッキー、ラッキー、キー太が会場に駆けつけ、小森栄司本店長、西井秀麿本店副店長とともにくす玉割りを行った後、従業員らが応援歌「六甲おろし」を合唱した。
「祝・日本一 阪神タイガースご声援感謝セール」は、通常より40分早い9時20分からスタートした。開店時間には、感謝セールを楽しみに駆けつけた約2000人が列を作り、阪神タイガースショップにも約300人が並んだ。一番乗りはセリーグ優勝のときも一番に駆けつけた和歌山の33歳の男性で早朝4時40分に到着。「前回の日本一のときはまだ生まれてなかったが、前回のリーグ優勝のときは甲子園のスタンドで観戦した。今年は2度も胴上げを見られてうれしい。二連覇してほしいし、優勝が当たり前になることを願っている」といい、「感謝セールは一番に入店して買うことに価値がある」と話した。
大阪・堺市から友人と来たという女性は、生粋の阪神ファンで、38年前の日本一感謝セールも経験。「優勝セールには必ず来ている。前回の日本一のときは会社を休んで来たが、すごい人だったので今朝は6時に家を出てきた。セリーグ優勝のときは記念に時計を買った。今回は日本一記念のお菓子をいくつか買いたい。京セラドームには行けなかったが、甲子園と同じ雰囲気がテレビから伝わってきて昨晩は感激で涙が出た。この調子で阪神の黄金時代を築いてほしい」と、笑顔で応えた。
9月15日から1週間開催されたリーグ優勝記念セールでは、阪神梅田本店の売上高が前年の同じ時期に比べて3倍に跳ね上がった。小森本店長は「(2021年に)建て替えたことを知らないお客さまも大勢来店し、新しいファンが非常に増えた。日本一になったことでさらに来ていただけるとうれしい」と期待を寄せた。
前回日本一になった1985年には、年間約55億円の増収効果があったが、消費動向が大きく異なり、クリアランスセールも年々パワーダウンしている。「その数字をクリアできるところまではいかないだろうが、セールを楽しみたいという熱気という意味では前回を上回っていると思う」と語った。
記念セールは6日から5日間、リーグ優勝時とほぼ同じ内容で行われる。全館の7割の売り場で記念セール品を販売する。純金メダルや日本一ロゴ入りワインなど記念になる商品を揃えたほか、38年ぶりの日本一にちなみ、3800個の記念福袋や特価品を多数用意した。食品売り場では、タイガースロゴ入り商品や日本一記念ロゴ入り商品を求めて、各店で長蛇の列ができた。「クラブハリエ」のバームクーヘン日本一パッケージは、本日発売分が開店5分ほどで完売。「太陽の塔洋菓子店」のタイヨウノカンカンminiも、購入できるまで1時間近くかかった。
阪神ファンのみならず、日本一を祝うお祭りに便乗して楽しみたいという客も多く、「阪神ファンの父親に買ってあげたい」「昨日の試合を見てセールに来たくなった」という声も聞かれた。アジア太平洋研究所の発表によると、阪神タイガースとオリックス・バファローズのリーグ優勝による全国への経済波及効果は1283億円。関西対決となった日本シリーズでさらなる効果が期待できるとしている。