ゴールドウインの2023年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比12.8%増の510億円、営業利益が同15.0%増の60億円、純利益が同25.3%増の72億円だった。同時期として売上高も利益も過去最高を更新した。行動規制の緩和やインバウンドの回復で、主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス(TNF)」の売れ行きに弾みがついた。純利益は韓国の持分法適用関連会社の好業績によって底上げされた。
売上高の過半を占めるアウトドア分野を中心に、春夏商品は約3割の商品で5〜10%の値上げを実施した。7日の決算説明会に登壇した渡辺貴生社長は「値上げに関係なく売れ続けている」と総括した。全ブランドでセールの見直しを進めているが、オンシーズンに正価(プロパー価格)で順調に消化されていることもあって、6月末以降のクリアランスセールの値引き対象品番が前年に比べて半減した。
キャンプ市場の失速によってテントや寝袋といったギア類は低調だったが、登山やトレイルランニングのアパレル類の増収でカバーした。旅行、スポーツ、野外フェスといったイベントの再開も追い風になった。158ある直営店舗では訪日客による免税売上高の比率が2割に達した。
通期(24年3月期)は当初予想を据え置き、売上高が前期比6.9%増の1230億円、営業利益が同3.2%増の226億円、純利益が同3.4%増の217億円を見込む。