「M・A・C」はこのほど、ブランド独自のリサーチに基づく2024年春夏シーズンのメイクアップトレンドを発表した。同ブランドは1984年に創設して以来ファッションシーンと密接に関わってきた。24年春夏シーズンもニューヨークをはじめ、東京やロンドン、ミラノ、パリのコレクションで多くのファッションブランドのメイクを手掛けた。今季はファッショントレンドに呼応して、主張しすぎず控えめながら、手入れの行き届いたタイムレスなメイクが台頭。パンデミック以降に顕著だったプレイフルなルックから、より洗練されたムードへと変化した。
また、フレッシュな果実にインスパイアされた“アプリコットクラッシュ”や虹色に輝く真珠を表現した“パールスキン”など、自然界からインスパイアされた生命力にあふれたモチーフも随所に見られた。池田ハリス留美子「M・A・C」シニアアーティストは「年齢・人種・性別を超えて、トレンドを自ら選び取り、個性とブレンドして溶け込ませる、柔軟な姿勢がスタンダードになるだろう」とコメント。「M・A・C」が発表した4つのトレンドを紹介する。
“アプリコット クラッシュ”
APRICOT CRUSH
みずみずしく甘酸っぱい果実をイメージした“アプリコットクラッシュ”は、内側からじんわりとあふれる艶と、温かみのある血色感がポイントだ。目元と頰に艶を与え、唇はセミマットに仕上げることで、質感のコントラストを生んだ。春や夏に似合う生き生きとした表情をかなえる。
“パールスキン”
PEARL SKIN
肌のトレンドは真珠のようにどの角度からでも上品な光沢を放つ“パールスキン”だ。シルバーやピンク、ゴールドの光を肌に溶け込ませ、単色ではない豊かな色合いの輝きをのせる。バックステージでは、肌をスキンケアや下地で保湿して整え、リキッドファンデーションで艶を与える。顔全体やデコルテまで広げ、有機的な輝きを放つ肌を仕込んだ。
“ロングライナー”
LONG LINER
アイラインは長く、直線的なデザインの“ロングライナー”が多く見られた。色や太さは問わず、長さを出したグラフィカルなシェイプが共通する。他のパーツをミニマムにまとめることで個性を際立たせ、ジェンダーを問わないアクセントルックをかなえた。
“アンダー ステイトメント”
UNDER STATEMENT
23年秋冬シーズンから注目の“クワイエット・ラグジュアリー”の潮流がメイクにも表れた。控えめでありながらタイムレスな魅力を放つ“アンダーステイトメント”がトレンドに浮上。スキンケアや下地で手入れの行き届いた上質な肌を作り、色や質感の主張を抑えたメイクアップを合わせる。