デサントの2023年4〜9月期の売上高は前年同期比4.9%増の599億円だった。ゴルフブームの落ち着きを、中国と韓国のアスレチックカテゴリーがカバーした。営業利益は同15.2%減の41億円、経常利益は同18.8%増の800億円、純利益は10.5%増の56億円だった。
コーポレートブランド「デサント(DESCENTE)」の国内売上高は、前年同期比6%減の48億円だった。しかし直営店の売上高は同50%増と伸長した。同社は同ブランドを“プレミアムスポーツブランド”と位置付けて、商品構成の見直しや宣言広告への投資、既存店17店舗のうち8店舗のリニューアルなどを行っており、その一定の成果が表れた。
ブランディング強化の背景には、中国での実績がある。中国では持株会社デサントチャイナが同ブランドを運営し、2023年3月期の売上高は602億円(日本は176億円)だった。上海と北京には1000平方メートルを超える大型店舗を構え、タウンユースの人気もある。日本よりも「はるかに高いブランドイメージ」(小関秀一社長)を持つ。「中国で『デサント』のロゴを見れば、『あの人いいものを着ているね』と思われる。日本より高価格なのに、それに負けない商品価値を提供している。店舗クオリティーも『ナイキ』『アディダス』と比べて遜色ない。日本も、そこを目指さなければならない」。
意識変革を促すため、日本の社員100人による中国視察も実施する。「(中国の)店の規模と人気を目の当たりにすれば、世界に負けないブランドだという実感が持てるはずだ」。ブランド運営に直接関係する人のほか、総務や経理なども参加しており、これまでに80人が視察を終えた。「コーポレートブランドが成長すれば、その他のブランドにも好影響が出る。会社全体で盛り上げていきたい」。