「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(旧Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。63回目は、ついにヴェールを脱いだ「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」によるSNS上での反応のお話。
ソーシャルエディター津田:「セリーヌ(CELINE)」の前クリエイティブ・ディレクター、フィービー・ファイロが自身の名を冠したブランドを遂に始動しました。デビューコレクションをECサイトで発売です。150のアイテムからなる1つのコレクションをA1、A2、A3と3つの “エディット”に分けて発売するそうで、今回はA1。発売日時は10月30日の15時(ヨーロッパ時間)で日本は23時でしたが、私の周りでは歓喜の投稿が溢れてSNSはお祭り状態。現時点では米国、欧州、英国だけの販売で日本に配送しないせいか購入報告はあまり見かけませんでしたが、既に9割近い商品が売り切れていてファンがどれだけ待ち望んでいたかわかります。今回のブランドは、環境に与える影響を考慮して、平均して各100着以下の少量生産にとどめています。少量生産でのブランドスタートも、3回に分けたデリバリースタイルも、ファンの枯渇感を煽るには十分。A2は2024年春に発売予定ですが、今回よりも更に早く売り切れる気がします。村上さんも「フィービー ファイロ」のデビューコレクション、チェックされましたか?気になるアイテムなどありましたか?
記者村上:私はむしろ洋服周りに興味・関心を寄せてしまいました。まず驚いたのは、バッグ3500ドル(約52万5000円)〜、パンプス1300ドル(約19万5000円)〜みたいな価格帯なのに、津田さんが言う通り発売日当日に大半が売り切れたこと。私の周りでは「円安を改めて実感した」なんてコメントがいくつかありましたが、その通りだと思います。
もう一つは、イメージビジュアルの作り方でしょうか?比較的年配のモデルのリアリティにクローズアップしていましたよね。特にゴールドのビキニではなくウエストのシワにフォーカスした写真や、萎れた花々など、被写体も、画角も、ちょっと新しいなっていう印象です。それは大人の官能性を謳うカンジとはちょっと違って、性別や年齢を超越した無作為の美を切り取ったカンジとでも言えば良いでしょうか?どちらかと言えば、売っていた洋服というより、こんな表現や考え方が、他のブランドにどう影響するんだろう?という印象を受けました。
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