TSIホールディングス子会社のHYBES(二階戸貴志社長)は、EC主軸のコスメブランド「ボウブ(BOBE)」(全7種、2420〜5720円)をこのほどスタートした。同社が運営するEC主販のアパレルブランド「メクル(MECRE)」を手掛けるインフルエンサー・MAIがディレクターを兼任する。
スキンケアはオイルクレンジング(150mL、3960円)、化粧水(200mL、同)、美容液(100mL、5720円)、フェイスクリーム(50g、4400円)の4種をラインアップ。いずれも基剤に、熊本県産トラフグを原料とした「発酵コラーゲン水」を使用した。発酵コラーゲン水は肌にハリを与えるだけでなく、水よりも細かい分子構造で肌に浸透しやすい性質がある。有効成分として、抗炎症作用が期待できるツボクサ葉エキス、肌のむくみ・くすみケアに効果的なクダモノトケイソウ果実油などを配合した。コロナ禍がきっかけでインナーケアに意識が向いたというMAI。腸活によって体調、肌状態まで劇的に改善し、「“発酵”のパワーを知った」ことが開発のヒントになった。
一方メイクアップ4種は、モードなファッションやメイクを好むMAIの個性を色濃く反映する。カラーマスカラ(2色、各2970円)とマルチグリッター(2色、各2750円)は、目元のアクセントになる白色をラインアップした。リップグロスの“マットリキッドルージュ”はカカオブラウンとスモーキーピンクの2種で、マットで洗練された仕上がりをかなえる。アイシャドウの“プレスドアイシャドウ”(2種、2420円)は、ふんだんに配合したラメによるパールのような輝きが特徴だ。
グループ全体に刺激を与える存在に
HYBESは「メクル」のほかにJUNNAの「エトレ トウキョウ(ETRE TOKYO)」、HINANOの「シャロル(CHAROL)」といったディレクターの影響力を生かしたEC主軸ブランドを複数展開する。「ボウブ」はこれらで培ったネットマーケティングのノウハウを生かしつつ、百貨店などでのポップアップストアでリアルの接点を作る。商業施設に多店舗展開するTSIグループの中では、HYBESが異質な存在であると二階戸社長は自認する。
グループ内のビューティブランドとしては「アルページュ ストーリー」から派生した「アルページュストーリーボーテ」(2021年10月〜)が先行事例だが、スキンケアからメイクアップまで一通りそろえるブランドは「ボウブ」が初めて。MAIが実現したい商品や世界観についてじっくりとセッションを重ねながら、ほとんどゼロの状態から取引先を開拓したため、構想から商品化まで2年以上を要した。「大きな組織ではチャレンジしづらいことにも、どんどん首を突っ込んでいくのがグループ内でのHYBESの役回りだ」と二階戸社長。「一つ一つの事業規模はまだ限定的だが、グループ全体に刺激を与える存在でありたい」と意気込む。