2024年秋に開業55周年を迎える玉川高島屋S・Cは、コロナ禍で落ち込んでいたファッション売り上げがようやく復活。インバウンド需要はほとんど望めないが、地域密着型の日常利用をテーマに、大型リニューアルの準備を着々と進める。東神開発の森脇公一・営業本部玉川事業部第1営業グループ グループマネージャーに聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月28日号付録「ビジネスリポート」かからの抜粋です)
WWD:2023年上半期の商況は?
森脇公一・営業本部玉川事業部第1営業グループ グループマネージャー(以下、森脇):専門店の売上高は前年同期比9.3%増で、客数も前年を超えている。予算もクリアした。衣料品は同10.8%増、服飾雑貨は同3.3%増だった。衣料品がけん引し、23年2月期がコロナ禍前の20年2月期を上回る売り上げになり、引き続き、伸びている。
WWD:好調だったカテゴリーやショップは?
森脇:特選ブランドが引き続き売り上げを大きく作りながら、ファッションがようやく復活してきた。特に一番低迷していた婦人服は、今春から10%増くらいのペースで伸び続けている。全般的にオケージョン対応のキレイめなものが好調だったが、きっちりし過ぎない良い塩梅のものを用意していたところが売り上げを伸ばした。「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」は同21.2%増。ウィメンズもメンズも大幅に伸長した。「エストネーション(ESTNATION)」は大きく伸びた前年をさらに伸ばし、コロナ禍前の売り上げを大幅に超えている。「タマガワ スペシャルデイズ」のセールのときも、初日はセール品を売りながら、2日目、3日目からは秋冬物のレザーといったプロパーを仕込むなど、先物の提案がうまくいっている。ターゲットは40代というところも、館の客層にマッチしている。
特選は、「シャネル(CHANEL)」がリニューアル効果もあり、好調。「ロエベ(LOEWE)」も引き続き伸びている。値上げに次ぐ値上げをしても支持されるブランドと、「ちょっと考える」というブランドで、分かれ目ができてきている。衣料品100店舗の客単価は6月の時点で2万9000円にまで上がってしまっており、日常利用がテーマのショッピングセンターとしては、もう少し気軽に買えるエントリー的なものを意識的にそろえなければと考えている。
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