ウニエ貿易が日本総代理店を務める米時計ブランド「タイメックス(TIMEX)」は11月17日、ストリートアーティストの先駆者として知られるキース・ヘリング(Keith Haring)とのコラボレーションウオッチを発売する。コンセプトショップを始め一部時計専門店で取り扱う。
今回のコラボは、キース・ヘリングがニューヨークの地下鉄の広告掲示板に絵を描く”サブウェイドローイング”で実際に描かれたアートをデザインに落とし込んだ。ベースモデルは、“イージーリーダー”(1万8150円)と“TIMEX 80”(1万5400円)、“Q TIMEX”(2万9700円)の3型を用意する。
いずれもブラックをベースに、有名なドッグや「タイメックス」ロゴが入った羽の生えた時計のアートをホワイトのグラフィックでデザインし、ベルトやヘゼル部分にキース・ヘリングのサインをあしらった。なお、“Q TIMEX”モデルは発売同日にオンタイム渋谷ロフト店限定で取り扱う。
キース・へリングの時計といえば1986年に発売されたスイスのカジュアル時計ブランドが有名だが、じつは彼がアートとして最初に時計を書いたのは「タイメックス」だったという (1982〜83年)。ヘリングは、「アート作品の値段が高すぎる、アート作品は分け隔てなく人々に届かなくては無意味だ」と考え、誰でも廉価でアートを所有できるようにと自らのグッズを販売する「ポップ・ショップ」をニューヨークと東京に開店。へリングが時計にあえて“TIMEX”と書き入れたのは、アメリカの人々にとって「タイメックス」が最も馴染みのある時計ブランドであるからだと言われている。
そんなキース・へリングとのコラボレーションを、ある意味で“本家“の「タイメックス」が手掛けたのが本コラボレーション。
キース・へリング(1958-1990)は、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)やジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)などと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト。80年代初頭にニューヨークの地下鉄で、黒い紙が貼られた使用されていない広告板を使った通称“サブウェイドローイング”というグラフィティー・アートを始める。そのコミカルで誰もが楽しめる落書きは、地下鉄の通勤客の間で評判となり、一躍ヘリングの名を広めることになる。88年にHIV感染と診断され、その翌年に財団を設立。90年31歳で亡くなるまで、アート活動を通してHIV・エイズ予防啓発運動にも積極的に関わった。