ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第72回

男性用尿もれシート体験記

有料会員限定記事
※この記事は2023年11月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

先日、ユニ・チャームが販売する、男性用尿もれシートに関する発表会に伺いました。女性に比べて尿道が長い男性にも、尿もれに悩む方は多いそう。ただ生理用ナプキンなどは縁遠いせいか、尿もれシートという存在を知らず、結果悩みが解決できない男性は多いといいます。

発表会では、実際尿もれシートを体験してみました。使い方は、生理用ナプキンとほぼ同じです。装着したのは、男性に起こりがちな一般的な尿もれ2、3回分を吸収する10ccタイプ。さすがはトップメーカー、違和感は全くなく、私はその日、終日尿もれシートを貼ったまま過ごしました。ジムで「あ、そういえば」と気づいたくらいです(笑)。

とはいえ尿もれシートを手に取り、購入して、装着するという一連の行為には、“づらさ”が潜みますね。ちょっとしたペインとも言えるでしょうか?そこでユニ・チャームは、例えば1枚ずつの尿もれシートを、おしぼりのようなデザインで制作。コロナ禍で普及した、個包装した数枚を封入してラックに吊るし販売するマスクのようなパッケージで販売することで、“づらさ”の軽減を試みています。

この“づらさ”の解消においては、ファッションやビューティ業界が得意とするクリエイティビティーが、さらに発揮できそうです。下のリンクにある通り、ユニ・チャームはかつて「ミューラル」とコラボして、限定デザインの生理用パッケージを販売しました。購入時に紙袋で包む必要性を感じさせないパッケージデザイン開発の一環です。

このアイデア、男性用の尿もれシートにも応用できそうですよね。正直私は、「さわやか男性用」というブランドネームや「ズボンにしみない、目立たない」や「キレの悪さ対策に」のキラーフレーズがドカンとプリントされたデザインに、かなりの“づらさ”を感じました。全国津々浦々のドラッグストアでは、こういうデザインじゃないと棚が取りづらい事情は理解しています。まずは存在を知ってもらう段階にあるからこそ、ストレートな表現が効果的という考え方もあるでしょう。ただ一方で、普及を図る段階だからこそ、もう少し手に取りやすいデザインというオルタナディブな選択があっても良いでしょう。

この続きを読むには…
残り505⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。