「ベルルッティ(BERLUTI)」は、2024年にパリで開催される夏季オリンピック・パラリンピック(以下、パリ五輪)の開会式に参加するフランスチームの公式ウエアをデザインすることを発表した。オリンピックの開会式は7月26日、パラリンピックは8月28日の予定。
アントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ベルルッティ最高経営責任者(CEO)は、「(21年に開催された)東京五輪の開会式はおよそ30億人が視聴したが、このような規模で当ブランドの職人たちの仕事を宣伝できる機会はほかにまずないだろう。これまでも素晴らしいアーティストやリーダーらに衣装を提供する栄誉に恵まれてきたとはいえ、フランスチームの公式ウエアを手掛けるのは新たなチャレンジだが、大変光栄で誇らしく思う」と語った。
同ブランドのデザインスタジオは、パリ五輪組織委員会のチームと連携し、数カ月前からデザインに着手しているという。同氏は「まだ詳細について発表する段階にない」としながらも、「『ベルルッティ』は、エレガンスを象徴するフランスのメゾンだ。上質で洗練されたシューズに加えて、ウエアやオーダーメードのコレクションでも高く評価されている。アスリートをはじめとする代表団が、開会式という一生の思い出となるイベントに参加するにあたり、真の意味でフランスの代表だと誇らしく感じるような衣装を提供するべく尽力する」と意気込みを述べた。
同ブランドを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は7月、パリ五輪のプレミアムパートナーとしてスポンサー契約を締結した。契約料は非公開だが、情報筋によれば、1億5000万ユーロ(約241億円)程度ではないかという。
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの長男であるアルノー=ベルルッティCEOは、ほかにもロロ・ピアーナ(LORO PIANA)の会長や、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに加えて、一族の持株会社であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長を務めるなど多くの役職を持っている。そうした中でも、「『ベルルッティ』には愛着がある」ため、「LVMHがパリ五輪のプレミアムパートナーとなったときから、何らかの形で同ブランドが携わり、そのサヴォアフェール(受け継がれる職人技術)を広く紹介できないかと考えていた」と話した。なお、ほかの傘下ブランドでは、「ショーメ(CHAUMET)」がメダルのデザインを手掛けるほか、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「セフォラ(SEPHORA)」をはじめ、ワイン&スピリッツ部門のブランドなどが参加する予定だ。