「ロンハーマン(RON HERMAN)」は12月23日、ロサンゼルス・メルローズ通り8100番地のショップを閉店する。「ロンハーマン」はすでに、ブレントウッドとマリブにある近隣の店舗もクローズしている。2019年に「ロンハーマン」事業を取得したサザビーリーグは、「ロンハーマンは、アメリカ事業の戦略的見直しを決め、ロサンゼルスの現行店舗を閉店し、カリフォルニアでのダイナミックなオン&オフライン戦略を再考する」旨を発表。アメリカ本土の事業から撤退する意向はないという。
ロンは20代のころ、ファッション業界でキャリアをスタート。叔父で1961年に自身の名前を冠したショップをオープンしたフレッド・シーガル(Fred Segal)に影響を受け、その後はメルローズ通りの「フレッド シーガル」を継承。ジーンズからTシャツ、デザイナーズブランドのシューズやバッグを網羅したショップへと進化させ、ショップ・イン・ショップのアイデアにも挑戦した。その後フレッド・シーガルは、ロンに事業全体を任せ、ロンは、社長に就任。サンタモニカに2号店をオープンするなど「フレッド シーガル」のビジネス拡大に貢献したが、76年に「ロンハーマン」をオープンして別の道を歩むことになった。
アイコニックなショップの閉店については、関係者から惜しむ声が上がっている。1984年にショップスタッフとしてキャリアをスタートし、ウィメンズ部門の副社長としてヘッドバイヤーも務めたジョン・エシャヤ(John Eshaya)は、「ロンハーマンは、カリフォルニアの才能溢れるデザイナーの発掘を担ってきた。そして、ファッション業界にロサンゼルスのスタイルを知らしめたんだ」と振り返る。LA発のシャツブランド「フランク&アイリーン(FRANK&EILEEN)」を創業したオードリー・マクローリン(Audrey McLoghlin)は、「ロンハーマンは、私のキャリア、そして『フランク&アイリーン』の成功に欠かせない存在だ。創業者のロンには先見の名があり、ショップは50年近くロサンゼルスにとってアイコニックな存在だ。ロスと日本、そしてファッション業界にとって、偉大な存在になるだろう」と語る。
メルローズ通りのショップは、閉店までセールを開催している。