カネボウ化粧品のプレステージブランド「カネボウ(KANEBO)」はこのほど、役目を終えた化粧品サンプルを材料に、児童向けアートイベントを東京・二子玉川ライズで実施した。絵の具はメイクアップのサンプルの内容物を、飾り付けは空き箱を再利用した。実施は昨年に続き2回目。“夢のなる木”をイメージしたモニュメントに、子供たちは思い思いにお絵描きや飾り付けを楽しんだ。
イベントは二子玉川ライズの会場で終日行われ、述べ200組以上の家族連れが参加した。モニュメントにアニメキャラを描く女の子もいれば、空き箱を切り貼りして乗り物を工作する男の子もいた。絵の具の原料は、アイシャドウやリップなど。それらに含まれるラメや濃淡さまざまな色合いが、元気いっぱいの創作に彩りを与えた。化粧品から絵の具へのアップサイクルは、モーンガータ(東京都、田中寿典社長)の特許技術によるもの。アーティストによるレクチャー&ライブペインティングやカメラマンによる記念撮影も行われた。
イベントの発起人である木津裕美KANEBOブランドマネジャーは、「メイクアップ商品の開発過程では、理想の色にたどり着くまで何度も試作を繰り返し、どんどんサンプルが増えてしまう。それらを廃棄することに心苦しさを感じていた」と明かす。「施設や恵まれない国への寄付も選択肢にあったが、子どもたちの創作の場を作り、夢を与えることが『カネボウ』の役目だと考えた」。イベントは創作のテーマを変えながら継続していく意向だ。