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【麻布台ヒルズの見どころ1】ユナイテッドアローズは新ストアコンセプトで挑戦 トゥモローは紳士の嗜好品が集まる新業態

森ビルの大型複合施設「麻布台ヒルズ」が11月24日に開業する。“Modern Urban Village”をコンセプトに、緑を多用した設計で“Green & Wellness”を打ち出す。商業施設ゾーンには来春までに約150 店舗が出店。タワープラザ2階のファッションフロアの見どころを紹介する。

ユナイテッドアローズはインナーケア商材から
「シャネル」のビンテージジャケットまでそろう

 

ユナイテッドアローズは、新しいストアコンセプトのウィメンズ店舗「ユナイテッドアローズ ウィメンズストア」を出店した。店内には、観葉植物やダイニングテーブルなどが並び、心地よい家を想起させる温かな雰囲気。「ECでの買い物の機会も増えるなか、わざわざ店舗を訪れたくなったり、思わず長く滞在したくなったりしてしまうような空間設計を意識した」(広報担当者)。

約294平方メートルの売り場を広々と使用し、エントランス付近にはジャケットやコート、シャツなど「ユナイテッドアローズ」ブランドの顔となるオリジナル商品を集積した。その奥には、「上質なリラックスウエア」をテーマに、カシミアのニットワンピースや「マックスマーラ(MAX MARA)」のコートなどの麻布台ヒルズ商圏を意識した商品が並ぶ。同店のためにキッズ商品も初めて企画した。「同施設にはインターナショナルスクールもあるので、お母さんがお迎え前に気軽に立ち寄ってくださる動線が作れたらいい」と竹下智子店長。

“ニューラグジュアリー”を掲げ、「物質的な豊かさだけでなく、内面にも目を向けてほしい」という思いを込め、レジ周りではウェルネス商材を打ち出す。フェムケアブランド「ベア(BE-A)」の吸水ショーツのほか、酵素ドリンクやサプリなどの同店で初めて扱うインナーケアアイテムもそろう。

竹下店長は、「“ニューラグジュアリー”とは、ただ高価なものを並べるのではない。真に価値のあるものを、納得して選んだ先の、生き方としてのファッションを提案していきたい」と話し、「ユナイテッドアローズ」では初めて扱う「シャネル(CHANEL)」のビンテージジャケットなど、新旧問わず提案する。

竹下店長は直近では原宿本店に勤め、勤務歴は20年を越える。「『ユナイテッドアローズ』のおもてなしを徹底し、ファッションはもちろん、お客さまの幅広いお悩みに寄り添う店舗を目指したい」とビジョンを語った。

トゥモローランドは紳士の旅路がテーマの新業態

トゥモローランド(TOMORROWLAND)は、メンズの新業態の「メゾン エ ヴォヤージュ(MAISON ET VOYAGE)」を初出店した。「紳士の旅の身支度」をテーマに、「一人の男性がさまざまなものを身につけながら大人になっていく人生そのものをコンセプトに据えた」(広報担当者)。店舗内装は制作会社の「ザッツ・オールライト」が手がけた。「旅の始まり」をイメージし、入り口から店内奥の大きな窓が見通せる設計にこだわった。

フランスの老舗シューメーカー「ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)」に別注したクロコダイルのローファーから、フランスの老舗シャツブランド「シャルべ(CHARVET)」のルームソックスやベルト、オリジナルで企画したポルトガルメードの靴下、「レイバン(RAY-BAN)」のビンテージサングラス、「ピエール・カルダン(PIERRE CARDIN)」の腕時計など、「紳士の嗜好品」が並ぶ。

中央のドーム型の什器を抜けた先はドレスコーナー。「トゥモローランド」業態では期間限定で受け付けるスーツのパーソナルオーダーを、同店では常時受け付ける。広報担当者は、「年齢層にはしばられず、感度の高い男性に広くアプローチしたい」と話す。

同社は同じフロアに「キャバン(CABAN)」の7店舗目となる店舗も出店。オープンを記念してケーブル編みのベストとニットポロシャツを同店で先行発売する。

「ルルレモン」はウェルネスコミュニティーのハブに

ルルレモン(LULULEMON)」は、メンズとウィメンズを取り扱う9店舗目の店舗を出店した。重松裕美ヘッド・オブ・ブランドは、「“Green & Wellness”を掲げる同施設で、唯一のスポーツブランドとしてウエルネスコミュニティーのハブになっていきたい」と意気込む。

商品ラインアップは、旗艦店の六本木ヒルズ店よりも日常着ライン「On The Move」の構成を高めている点が特徴だ。限定アイテムには、ウィメンズのロングダウンジャケット(6万1800円)や、メンズのクルーネックトップス(1万4800円)などを用意した。野村優子店長は、「この店では、ラグジュアリーを感じられる接客と国籍豊かなスタッフでインクルーシブな雰囲気を大事にしていきたい」と話す。

パリゴ新業態は「世界一リッチなウォーキーングクローゼット」

アクセが手掛けるセレクトショップのパリゴ(PARIGOT)は、新業態「ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ」を出店した。「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「クロエ(CHLOE)」など「パリゴ」業態では取り扱っていないインポートブランドを拡充した。

店舗面積は約138平方メートル。バンブーシルクの絨毯が敷かれた店内は、「エイジレスに楽しめる世界一リッチなウォーキーングクローゼットをイメージした」と高垣孝久社長。内装はワンダーウォールの片山正通が、音響設備は坂本龍一などとも協業するエンジニアzAkが手掛けた。商品に影を作らないように設計した温かな照明や、包み込まれるような音響システムなど随所に工夫を施して高級感と心地よさが共存する空間を再現した。接客力の高いスタッフを配置し、「お客さまには中央のソファーに座り、今日着る服を自宅で選ぶような感覚でリラックスしてお買い物してほしい」という。

高垣社長は、「ギンザシックスでは、緻密なMD戦略が功を奏し好調に推移している。あれだけのハイブランドが並ぶなかでも相性がいいと実感できたので、今回出店を決めた。銀座のようにすでにラグジュアリーブランドの旗艦店やインポート系のセレクトが並ぶ土地ではできない、われわれが本当に作りたいセレクトショップを作ることができた。いいブランドを仕入れられるのは小売業の究極のぜい沢だと実感した」と話す。

麻布台の淑女はカシミヤがお好き!?

レジデンスの賃料は日本一とも噂される麻布台ヒルズとあって、商業エリアに入居するブランドの目玉商品は、品質も価格も「ハイクラス」。中でも目立ったのはカシミア素材をぜいたくに使ったアイテムだ。TSIの「ル フィル(LE PHIL)」は、エレガントなカシミヤ100%のケープコート(22万円)をジョガーパンツと合わせ、デイリーに着られるスタイリングで提案。アバハウスインターナショナルはセレクトショップ業態「ザ ストア バイ シー(THE STORE BY C’)」を代官山、ニュウマン新宿に続く3店舗目として出店した。こちらも一押しはオールカシミヤのショートコート(約30万円)。大ぶりの襟が特徴的で、付属のべルトでギュッとウエストを絞り、シルエットにメリハリをつけられる。

「セオリー」はオール骨格診断士

リンク・セオリー・ジャパンが展開する「セオリー(THEORY)」麻布台ヒルズ店も、やはりカシミヤ素材のニットやマフラーなどをたっぷり平積みしていた。加えて接客サービスの質も、他の店舗とは一味違う。なんと接客スタッフ「全員」が骨格診断士の資格を取得済。希望者は無料で簡易的な診断を受けられる。「シンプル・ベーシックなデザインだからこそ、ごまかしがきかない部分もあるが、ぴったりのものが一層映える。自分に似合うアイテムとの出合いをお手伝いさせていただきたい」(店頭スタッフ)。

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