PROFILE: 姉川輝天(あねかわ・てるたか)/パシフィック ゴルフ クラブ クリエイティブディレクター
トランジットジェネラルオフィスは、鎌倉・七里ヶ浜の「パシフィック ドライブ イン(PACIFIC DRIVE-IN)」や「ビルズ(BILLS)」をはじめとする飲食店の運営と、空間プロデュースを主軸にしている。同社が昨年5月、初のアパレル事業として、ゴルフウエアブランド「パシフィック ゴルフ クラブ(PACIFIC GOLF CLUB)」を立ち上げた。遊び心あるイラストとカジュアルなデザインで、ポロシャツが8000円〜1万5000円前後とゴルフウエアとしては手頃な価格帯を強みに、30代を中心に支持を集めている。
ブランドの舵を取るのは、姉川輝天クリエイティブディレクターだ。同氏は「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」の創業とショップ立ち上げに携わり、ブランドの顔としてテレビ番組にも出演していた。ファッション業界で経験を積んだ姉川クリエイティブディレクターが、今ゴルフウエアブランドに挑む理由を聞く。
“同社のカフェがゴルフ場をプロデュースしたら?”
「パシフィック ゴルフ クラブ」は、トランジットジェネラルオフィスが鎌倉・七里ヶ浜に構えるドライブインカフェ「パシフィック ドライブ イン」から派生したブランドだ。同カフェが“もしゴルフ場をプロデュースしたら?”という架空のストーリーを描く。
ブランド発案者の中村貞裕トランジットジェネラルオフィス社長は、コロナを機に盛り上がっていたゴルフ市場に目をつけ、かねてから親交のあった姉川クリエイティブディレクターに声をかけたという。姉川クリエイティブディレクターは「(中村社長とは)一緒にゴルフをプレーする仲間でもあった。中村さんは『ゴルフウエアはもっと自由に考えていいんじゃない?』と考えていて、僕も同じだった。当時、世に出ていたゴルフウエアは、自分の着たいテイストと異なるものが多かったから。もっと自分たちが着たいと思える、カジュアルでデイリーユースなウエアを作ろうと、ブランド始動を引き受けた」。
日常的なデザインと機能の両立
ECを軸にしながら、「ゴルフ5(GOLF5)」をはじめとした大手ゴルフ量販店や、同社が持つカフェ店舗でのポップアップストアも行う。姉川クリエイティブディレクターは、「オンラインの時代ではあるが、商品を直接見てもらえれば購入率を高めることができる。そして何より、ブランドのファンやリピーターになってもらえるし、直接ご意見をいただける貴重な機会だ」と、自身も店頭に立つ。
バーガーショップと異色コラボ
既存の枠に捉われない施策は、“もっとゴルフを楽しみたい”という純粋な思いから生まれる。「売り上げはもちろん、自分たちが遊び心を持って取り組めているかも大事。作り手のワクワクは、アイテムや施策にそのまま反映されるから」。
ブランド立ち上げから一年を経て、直近の目標は「卸売の拡大」だ。「もっとゴルフを楽しみたいと思っているユーザーに僕らのアイテムとマインドを届けて、より充実したゴルフライフを実現するきっかけになればうれしい」。