TSIホールディングスは今冬から、スパイバー(山形県鶴岡市、関山和秀社長)が開発する人工タンパク質素材“ブリュード・プロテイン”繊維を使った商品を販売する。第1弾として、百貨店婦人服ブランド「アドーア(ADORE)」から、ブリュード・プロテイン素材のノーカラーコート(27万5000円)を11月30日に発売する。
「アドーア」のノーカラーコートは、スタイルのアクセントになるパッチポケットやバックスタイルを美しく見せるアンブレラヨークを備え、すっきりとしたVゾーンでレイヤードもしやすいブランドの定番商品。通常のウール素材を「カシミヤのようなリュクスな風合い」を持つブリュード・プロテイン素材に替え、エレガントなムードをプラスした。ブラックとグレージュの2色で各24点限定、1点ずつシリアルナンバーを付す。購入後5年間の保証サービスが付き、期間中は使用に伴い失われた風合いを修復するリペアサービスを受けられる。展開店舗はギンザシックス店、六本木ヒルズ店、名古屋松坂屋店、阪急うめだ店、岩田屋福岡店、大丸札幌店。
ブリュード・プロテインは、植物由来のバイオマスを原材料に微生物の発酵により生産される次世代の新素材。タンパク質が原料のため、自然に還る「環境分解性」がある。また、ウールなどの動物繊維と比較しても、製品化までにかかる土地や水の使用、温室効果ガス排出をはるかに抑制できる。そのため、従来の石油由来の合成繊維や動物繊維に変わる新たなソリューションとして期待されている。