アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。世界中で物価高騰が止まらない。その影響も重なってか、購買意欲を高めるはずだったコラボや別注アイテムの効果も虚しく、“即完売”すること自体が珍しくなってきた。この数年間で乱発されたコラボや別注に、消費者の目が肥えてきたのも理由だろう。新しいものに目移りするのは単なるブームにすぎず、カルチャーとして根付くものにしなければいけない。スニーカー文化を創った1人、本明さんの意見は?
本明秀文・アトモス創業者(以下、本明):NYに来ている。スーパーで惣菜のラーメンを買おうとしたら14ドル(約2072円)で、このラーメンでも2000円以上するのかと思うと、思わず躊躇してしまった。マクドナルドもハンバーガーとポテトとドリンクで15ドル(2130円)以上する。それぐらい物価が高騰していて、日本人の観光客をほとんど見かけなくなった。本当に日本の国力が落ちてきている。買い物しているのはほとんどアジア人(日本人以外)だし、アラブ人も目立つ。アメリカも不景気だから「シュプリーム(SUPREME)」もアジア人だらけ。コラボアイテムも余っている。一昔前だと、コラボや別注は確実に売れる飛び道具だったのに、連発しすぎて売れないものがある。スポーツメーカーもどれが売れるか分からず同じ型のカラーバリエーションをたくさん店頭にストックするから、「ユニクロ(UNIOLO)」とディスプレーが似てきたね。
――コラボといえば、「フラグメント(FRAGMENT)」と「BT21」のコラボを日本は「スニダン(SNKRDUNK)」が運営する「ハイプドロップ(HYPE DROP)」で国内独占販売するようです。本明さんもこの「スニダン」の屋外広告をSNSにアップされていましたよね。
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