ドラッグストアのヘアケア売り場は大手企業の寡占状態にあったが、ここ数年で大きく様変わりした。
その遅れを巻き返すべく、2024年は各社がプレミアム市場に本格的に参入し、シェア奪還に挑む。(この記事は「WWDJAPAN」2023年11月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
花王
“情緒的価値”を重視した新ブランドを投入
花王(KAO)のヘアケア事業は低〜中価格帯の「メリット(MERIT)」「エッセンス(ESSENCE)」などを擁し、ヘアケア市場で先頭を走ってきたが、高価格帯商品が台頭し始めた2017年を境に苦戦を強いられてきた。山内智子 花王 ヘルス&ビューティケア事業部門 ヘアケア第1事業部 事業部長は「魅力的で華やかな商品を用意する新興メーカーにお客さまを奪われている現状は真摯に受け止めている。購入の決め手となる優先順位が大きく変わり、これまでの機能軸から情緒を重要視するお客さまが増えてきていることに気づくのが遅かった。自分たちの強みである品質や技術力を生かそうという気持ちが強かったがために、定義しにくい情緒的価値に着手するのが出遅れてしまった」と振り返る。そこで「気分の価値を乗せなければ魅力的に映りきれない」と判断し、機能面だけで勝負をかけることを捨て、2年前に情緒的価値を取り入れた開発に踏み切った。
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